安藤サクラ、3度目の最優秀主演女優賞!最優秀助演女優賞とW受賞の快挙
第47回日本アカデミー賞
第47回日本アカデミー賞の授賞式が8日、グランドプリンスホテル新高輪で行われ、安藤サクラ(38)が是枝裕和監督の映画『怪物』の演技で3度目の最優秀主演女優賞を受賞した。安藤は今年『ゴジラ-1.0』の演技で最優秀助演女優賞を受賞し、ダブル受賞の快挙。『PERFECT DAYS』で最優秀主演男優賞を受賞した役所広司のスピーチを引用する形で「これでゴジラの牙をまた一本抜いたけどなんか複雑。ありがとうございます!」と受賞に感謝を述べた。
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映画『怪物』は、大きな湖のある郊外の町を舞台に、けんかをした2人の小学5年生の食い違う主張をきっかけに、社会やメディアを巻き込む騒動に発展していくさまを複数の視点で描く群像ドラマ。事件の焦点となる2人の子供を黒川想矢、柊木陽太が演じるほか永山瑛太、高畑充希、角田晃広、中村獅童、田中裕子らが出演。音楽を、昨年3月28日に亡くなった坂本龍一さんが手掛けた。第76回カンヌ国際映画祭で坂元裕二が脚本賞を受賞し、LGBTやクィアを扱った映画に与えられる「クィア・パルム賞」を日本映画で初めて受賞した。
本作で息子・湊(黒川)の異変に頭を悩ませるシングルマザーを演じた安藤。安藤は是枝監督の『万引き家族』でも同賞最優秀主演女優賞を受賞しており、「本当にありがとうございます」と感謝を述べスピーチを始めようとするも、あまりの驚きからなかなか言葉が出ない様子。「うーん……本当に言葉が見つからないんですが、いつも是枝監督はもちろん、想矢とか陽太とか、年齢も部署も問わずみんなの意見も取り入れて撮影なさるんです。わたしたちはすごくその場所に安心感を抱きながら撮影できて、すごく特別な場所で、今回は二人の主役の男の子たちとどう演じていくのかっていうことをとにかく考えてやっていました。だから、二人が演じるお芝居の、二人の力で出たものは本当にたくさんあって、もちろん二人のみならず、チーム、俳優部だけに限らずみなさんと本当に一緒に作っているという感覚がとても心地よい現場でした」と再びの是枝組を振り返った。
「なので、いつもこうやって受賞させていただくと、本来なら“イエーイ! ヨッシャー”っていけたらどんなにかっこいいだろうって思うんですけど、なかなかそれができないんですけど、でもお芝居もそうだけどやってみたらみんなでその気持ちになれるっていうのはあると思うので、ヨッシャー! ヤッター!」と快哉を叫び、先に最優秀主演男優賞を受賞した役所広司の「これでやっとゴジラの、ちょっと牙を抜いた感じがします」というジョークを引用する形で「これでゴジラの牙をまた一本抜いたけどなんか複雑。ありがとうございます!」と締めくくった。
安藤は昨年の第46回において、映画『ある男』の演技で最優秀助演女優賞を受賞。同映画賞ではこれまで第38回優秀主演女優賞(『0.5ミリ』)、第39回最優秀主演女優賞(『百円の恋』)、第42回最優秀主演女優賞(『万引き家族』)を受賞している。
優秀主演女優賞は、安藤のほか綾瀬はるか(『リボルバー・リリー』)、杉咲花(『市子』)、浜辺美波(『ゴジラ-1.0』)、吉永小百合(『こんにちは、母さん』)が受賞した。(編集部・石井百合子)