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「光る君へ」玉置玲央、視聴者のヘイト担う道兼は「人間を象徴する人物」

第10回「月夜の陰謀」より花山天皇(本郷奏多)と藤原道兼(玉置玲央)
第10回「月夜の陰謀」より花山天皇(本郷奏多)と藤原道兼(玉置玲央) - (C)NHK

 吉高由里子が紫式部(まひろ)役で主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)の10日放送・第10回では、藤原兼家(段田安則)ら右大臣家のクーデターが描かれ、その中でも汚れ役を一手に引き受けた息子・藤原道兼を演じた玉置玲央が撮影を振り返る中で嫌われ役の道兼、そして悲劇の花山天皇(本郷奏多)への思いを語った。ドラマの公式Xのインタビュー動画「君かたり」内で明かしている。

【画像】クーデターで花山天皇に悲劇!第10回緊迫のシーン

 前話では兼家が息子の道隆(井浦新)、道兼、道長(柄本佑)、娘の詮子(吉田羊)を集めて「これからすべてを懸けて帝を玉座より引きおろし奉る。皆心してついてこい」と宣言していたが、第10回「月夜の陰謀」ではいよいよ“その時”を迎えた。

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 道兼は、かつてまひろの母ちやは(国仲涼子)を刺し殺した人物。幼いころから優秀な兄の道隆ばかりをかわいがる父の愛に飢えていた。しかし、ちやは殺害の事実を兼家に知られて以来、一族のためにいわゆる汚れ役を引き受けることとなり、先の帝・円融天皇(坂東巳之助)に毒を盛り退位させたことも。そして今度は兼家の孫である懐仁親王(高木波瑠)を擁立するため、花山天皇に近づき出家させる役目を担った。

 玉置は道兼のキャラクターについて「一番最初に台本を読ませていただいたタイミングと顔合わせのときとか序盤の印象だとものすごくひねくれた、嫌われる、視聴者の方のヘイトを集める役割および役人物だなって思っていたんですけど第10回が放送された後で撮影もその先まで進んでいて年を経るにつれてちゃんと道兼なりに理由も当然事情もあって、ただ悪一辺倒じゃない、やっていることはもしかしたら、すごく強烈な残酷なことをしてきているかもしれないんですけど、ものすごい人間らしい人物なのかなって思えるようにはなってきましたね」と変化を語る。

 しかし、今もなお道兼がどんな人物であるのか、答えが見つからないまま探りながら演じていると言い、「暗中模索っていうわけじゃないですけど、道兼ってどういう人物なんだろうっていうのをずっと考えながら、かつ全然答えが見つからないまま撮影に臨んできたので、それこそ周りの共演者の皆様が「道兼いいよね」とかって、ユースケ・サンタマリアさんとかすごくおっしゃってくださるんですよ。だから、そういうお言葉を耳にしながら……でも結局、道兼ってどういう人間なんだろうって今もなお探り続けながら、探しながら、感じながら演じているところではありますけど、でもやっぱりこの物語の中ですごく人間を象徴している登場人物かなって思えるようにはなってきたって感じですかね」とこれまでの歩みを振り返る。

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 第10回のクーデターにおいて最も危険かつ重要な役目を担ったのが道兼。花山天皇に近づくために自ら体に傷をつけ、実父から虐待されていると打ち明けると、兼家を疎ましく思っていた花山天皇は道兼に同情し、道兼の意のままに。兼家の協力者である安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)が、亡き女御・よし子(※「よし」はりっしんべんに氏が正式表記/井上咲楽)の魂を鎮めるためには出家するほかないと花山天皇に進言していたが、道兼が自身も共に出家すると告げたことが最後の一押しとなった。

 撮影中、「もうずっと「花山天皇ごめん」って(笑)」と胸を痛めていたという玉置。騙され出家させられる花山天皇について「自分の私利私欲とか目的とか父上から言われたこととか、兄弟間での出し抜き合いとか現代風にいえばマウントの取り合いだったりとかっていうものの完全にだしにしてしまっているわけで自分の出世のためでもあるし、でも出世の面ももちろんありますけど、それこそ父上に認められたいとか兄弟に自分の権威を示したいってことの方が道兼に関しては強い気がするんです。だから撮影期間中はもうずっと「花山天皇ごめん」って(笑)。俳優・玉置玲央としては思いながらやっていたんですけど、でも完全にやっぱり道兼にとっては手段、駒の一つでしかないっていうのが花山天皇への印象というか……ですよね」と語っている。(編集部・石井百合子)

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