まさか大河で！「光る君へ」まひろ＆道長のラブシーンに反響
吉高由里子が紫式部（まひろ）役で主演を務める大河ドラマ「光る君へ」（NHK総合・日曜午後8時～ほか）の10日放送・第10回で、多くの障害がありながらも強く惹かれ合っていたまひろと藤原道長（柄本佑）の美しくも情熱的なラブシーンが反響を呼び、タイトルやキャラクター名のほか「駆け落ち」「ラブシーン」などの関連ワードがXのトレンド入りをした（※一部ネタバレあり）。
第10回「月夜の陰謀」では道長の父・兼家（段田安則）の「帝を2時間で出家させ、神器である剣璽を手に入れる」というクーデターが着々と進められる一方、道長がまひろにある決意を告げるさまが描かれた。
兄・道兼（玉置玲央）がまひろの母ちやは（国仲涼子）を殺した仇であることに葛藤しつつも、前話で散楽の一員だった直秀（毎熊克哉）を死なせてしまった悲劇をまひろと共有したことで、一層まひろに思いを募らせる道長。古今和歌集の和歌「そなたを恋しいと思う気持ちを隠そうとしたが、俺にはできない」という歌をまひろに送った。まひろは、直秀の亡骸を二人で埋葬した日のことを思い返しながら、「あの人の心はまだあそこに……」と道長の胸中に思いを巡らせ「これまで心を体のしもべとしていたのだから、どうして一人くよくよと嘆き哀しむことがあろうか」という陶淵明の詩を返した。まひろにいくら歌を送っても「逢おう」とは言わず、返ってくるのはいつも漢詩。その真意がわからずにいた道長だったが、行成（渡辺大知）の助言を得て今度はある漢詩を送り、ようやく逢瀬がかなうこととなった。
まひろが廃邸に姿を現すなり「会いたかった……」とあふれる思いを吐露し、背後から抱きしめ長い口づけを交わす道長。道長の情熱的なキスに、SNSでは「突然のパッション」「情熱的すぎる」「キャーしか言えない」「いきなりの濃厚キス！」「展開が早いぞ！」と騒然となった。
道長は家も何もかもを捨てる覚悟で「一緒に都を出よう。海の見える遠くの国へ行こう」「俺はまひろと出会うために生まれてきたんだ」「まひろと生きていくこと、それ以外に望みはない」とまひろへの揺るぎない思いを告げ、駆け落ちを迫る。しかしまひろは、幼いころから思い続けてきた道長の真っすぐな愛に喜びに震えながらも「あなたが偉くならなければ直秀のような無残な死に方をする人はなくならないわ」と言い、道長の使命は別の場所にあると諭した。
道長の和歌＝心、まひろの漢詩＝志がそのまま表れたかのような長いやりとりのすえ、まひろが道長に告げたのは「一緒に遠くの国には行かない。でも私は都であなたのことを見つめ続けます。片時も目を離さず、誰よりもいとおしい道長さまが政によってこの国を変えていく様を死ぬまで見つめ続けます」という答えだった。それでも募る思いを抑えられない二人は月光に包まれながらついに肌を重ねる……という展開で、美しく幻想的なラブシーンにSNSでは「どうした大河！」「大人の大河」「もう源氏物語じゃん」「NHK大奥以来の衝撃」と驚きや見とれる声でにぎわい、涙を流すまひろの「人は幸せでも泣くし、哀しくても泣くのよ」との名ゼリフも注目を浴びた。
なお、まひろと道長の駆け落ちを巡る会話には「このまま駆け落ちしてしまえ！」「ロミオとジュリエットみたい」「道長のまひろへの愛が真っすぐ過ぎて素敵」と両者に共感が寄せられていたが、特に冷静で現実的な視点を持つまひろを支持する声が多く「まひろの方が大人…」「まひろは賢いね…」「まひろの志が怖いくらいに高い」「まひろの言う通りだ」と称賛の声が上がっていた。
第10回の演出を手掛けたのは、「花の乱」（1994）・「秀吉」（1996）・「義経」（2005）など多くの大河ドラマや、柄本佑主演のNHKドラマ「空白を満たしなさい」（2022）の演出にも参加した黛りんたろう。（石川友里恵）