「光る君へ」竜星涼、俯瞰する隆家を「すごく頭がいいなと思ってしまう」
吉高由里子が紫式部(まひろ)役で主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)の21日放送・第16回で、竜星涼演じる藤原隆家が初登場。竜星にとって大河ドラマ初出演となり、本作で描かれる隆家のキャラクター、その家族との関係について語った。放送後、ドラマの公式Xなどで公開されたインタビュー動画「君かたり」内で明かしている。
第16回「華の影」では年が明け、中宮・定子(高畑充希)のいる登華殿に藤原公任(町田啓太)、藤原斉信(金田哲)、藤原行成(渡辺大知)ら若者たちが集うさまが描かれた。定子の兄・伊周(三浦翔平)のほか弟の隆家も加わり、中関白家が帝との親密さを見せつけた。
一条天皇(塩野瑛久)や定子、伊周、公任らが雪遊びに興じる中、隆家は輪に加わらず清少納言(ファーストサマーウイカ)に「何が面白いのかわからぬ」とぼやいた。竜星は隆家について「いろんな本、史実ではなかなか荒くれ者だったりとか。平安の貴族の家柄の人間ですけれど、その系統にはなかなかいないような、自分で何かを成し遂げていくっていう、意外と僕ら兄弟とか家族の中ではちょっと異端な感じなんじゃないかなと。そこがコントラストになって見せることができたらいいのかななんて思いながら」と分析。
竜星自身「僕は結構そういうさがな者(荒くれ者)は嫌いじゃないと言いますか、どちらかというと好きなので」と隆家に好感を持っているようで、「とはいっても、やっぱり貴族として雅感、教養だったりとかっていうのは自然と受けてきていると思うので、そういう細かいところは優雅に、だけれどそこをどの程度、どこまで崩したり、偉い人がいる場所で、帝がいる前ではそんなことしないよとか、ちょっと崩した部分というのを限界ギリギリのラインまででみなさんと相談しながらやっているっていうのが今の楽しい部分かなと思っていますね」と撮影を満喫している様子。
また16回では伊周が女院となった詮子(吉田羊)に“説教”をして場が凍り付くシーンもあったが、竜星はそんな兄・伊周と隆家の関係についてこう語る。
「兄貴は兄貴で自信満々で、どちらかというと独りよがりですごく前に前に行きますけれど、そんな兄を見ているからこそ力が抜けるっていうのはすごく思ったんですよね。「兄貴がこうやっている」それを後ろから見て、どちらかというと兄貴がいるところではちょっと一歩引いてみている、俯瞰している「すごく頭がいいな隆家」って思ってしまうんですよね」
一方で、伊周を溺愛する母・貴子(板谷由夏)については「母親は長男の兄貴に対してすごく親身になり、そこは同じ兄弟でも兄貴びいきじゃないけれど愛みたいなものがちょっと強いのかなって。そんなつもりは母親になくてもそういうふうに見える。「隆家はあっけらかんとしているし大丈夫だろう」って思うからなのかもしれないですけど、「どうせ俺のところにはそんなこないだろ」っていう」と隆家の複雑な思いに想像を巡らせつつ、「でも兄貴より俺の方が一枚も二枚も上手なんだけどな」っていう野心みたいなものはきっとあるんだろうなと。そこはすごくおもしろかったですね」と隆家の秘めた野心に触れている。
竜星演じる隆家の初登場となった本エピソードでは、隆家が舞を披露。一条天皇が笛を、定子が琴を奏で伊周が舞うなか、伊周の呼びかけに渋々応える隆家だったが、迫力に満ちた優雅な舞で周囲を魅了していた。(編集部・石井百合子)