「光る君へ」塩野瑛久、一条天皇と定子の複雑な関係示唆
吉高由里子が紫式部(まひろ)役で主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)で一条天皇を演じる塩野瑛久が、本作で描かれる一条天皇のイメージや中宮・定子(高畑充希)との関係について語った。放送後、ドラマの公式Xなどで公開されたインタビュー動画「君かたり」内で明かしている。
わずか7歳で即位した一条天皇。元服して20日後に定子が入内し、一条天皇が幼いころには姉弟のように、成長してからは夫婦として仲睦まじい日々を送っている。21日放送・第16回「華の影」では一条天皇が笛を、定子が琴を奏で、息ピッタリの様子だったが、一条天皇にとって定子はどんな存在なのか。塩野は「とてもとてもいとおしくて、なくてはならない存在」としながらも複雑な関係になっていくことも示唆する。
「心安らげる居場所みたいに思っているんじゃないかなと。だけど一条天皇も自分で政治を動かしていかなければならないという使命があって、やはりその情というものが邪魔してしまうことも時にはあるんじゃないのかなと思っていて。その中のやはり一番大きい核というものが定子の存在なんじゃないかなと思っておりますね。それがいい方向に動くときもあれば自分の中でちょっと突っかかってしまうことに働いてしまうこともあるんじゃないかなと感じています」
第16回では一条天皇が関白の道隆(井浦新)に対し、都で蔓延する疫病に危機感を募らせる場面も。「さような汚らわしきこと、お上がお知りになるまでもございませぬ」と取り合わない道隆に対し、一条天皇は「唐の貞観政要によれば煬帝の隋が滅びたのは兵の備えを怠ったからではない。民をおろそかにし、徳による政を行わなかったからであると書いてある。朕はそのようになりとうない」と説く。
本作で描かれる一条天皇について、塩野は「幼いころに即位して自分の中で自覚が芽生えつつも、まだ若いというところで至らないところもあると自覚はしているものの、民に寄り添い本当にこの国をよくしようと一生懸命動こうとしている描写はいくつかあって。関白の言いなりになるのではなく、自分の頭で考え、自分で行動し、よき政を行っていこうという意志はすごく感じ取れるので、すごく聡明な愛情深い天皇なんじゃないかなと思っております」と分析。
道隆は、疫病にかかるのは下々のみで我々には関係のないこととし、どこまでも噛み合わない。最後は「忠臣としてのそなたの働きを信じておる」としていたが、一条天皇はどんな思いだったのか。
「自分とは少し異なる考え方だなというふうに思っているんじゃないかなと感じています。道隆なりの気持ちもわかると思っているんじゃないかなと思いまして。というのも、やはり一条天皇は政としてきっちり自分が意志を持って、いろんなことを決めていかなければならない中でも、情にも厚いというか。すごくそばにいる人を信頼したいって思うような人だと思うので、道隆もその中の一人はあると思うので、むげにはできないなと思いながらもちょっと乱暴だなと思ったりする一面もあるんじゃないかなと思っています」
塩野演じる一条天皇は前話・第15回で初登場。セリフは一言のみだったが龍笛を奏でる姿をはじめ、塩野の輝かんばかりの美貌が話題に。第16回では年が明け、中宮・定子のいる登華殿に藤原公任(町田啓太)、藤原斉信(金田哲)、藤原行成(渡辺大知)ら若者たちが集い、行成に古今和歌集の写しを献上されると「見事である。大切にしよう」とニッコリ。行成は、帝のあまりの美しさに見とれていた。(編集部・石井百合子)