成田凌、中村映里子、森田剛が体当たり演技!つげ義春『雨の中の慾情』台湾ロケで映画化
つげ義春の短編漫画を成田凌、中村映里子、森田剛の共演で映画化するラブストーリー『雨の中の慾情』(あめのなかのよくじょう)が11月29日より公開されることが明らかになった。監督は映画『さがす』やディズニープラスのドラマシリーズ「ガンニバル」の片山慎三監督。ほぼ全編、台湾でロケを敢行した日本と台湾の共同制作作品となり、特報映像並びに場面写真が公開された。
原作は、今年デビュー70周年を迎える「ねじ式」「無能の人」などで知られる漫画家・つげ義春の同名漫画。「雨の中の慾情」は絵コンテのまま発表されたつげ義春ならではのシュルレアリスム作品で、2024年に欧州最大規模の漫画祭であるフランス・アングレーム国際漫画祭で歴史に残すべき作品に授与される PRIX DU PATRIMOINE(遺産賞)にノミネートされた。映画では、片山監督が「ガン二バル」でもタッグを組んだ大江崇允(『ドライブ・マイ・カー』)の協力を得て脚本も執筆。ラブストーリーを軸にスリラー、ホラー、コメディ、アクション、ヒューマンドラマとジャンルを超越した先の読めないストーリーテリングで、過酷な現実に背を向けるほどに性愛に翻弄される男女の皮肉と悲哀を描き出す。
貧しい北町に住む売れない漫画家・義男(成田凌)。アパート経営の他に怪しい商売をしているらしい大家の尾弥次(竹中直人)から自称小説家の伊守(森田剛)とともに引っ越しの手伝いに駆り出され、離婚したばかりの福子(中村映里子)と出会う。艶めかしい魅力をたたえた福子に心奪われた義男だが、どうやら福子にはすでに付き合っている人がいるらしい。伊守は自作の小説を掲載するため、怪しげな出版社員とともに富める南町で流行っているPR誌を真似て北町のPR誌を企画する。その広告営業を手伝わされる義男。ほどなく、福子と伊守が義男の家に転がり込んできて、義男は福子への潰えぬ想いを抱えたたま、三人の奇妙な共同生活が始まる。
成田凌、中村映里子、森田剛がそれぞれ体当たりの芝居に挑み、切なくも激しい情愛と性愛を表現。また、2023年3月に劇中のほとんどのシーンを台湾にて撮影。昭和初期の日本を感じさせるレトロな町並みが多い台湾中部の嘉義市でロケを敢行した。
キャストは成田、中村、森田のほか、監督デビュー作でつげの漫画「無能の人」を映画化した竹中直人、足立智充、中西柚貴、松浦祐也、伊島空、李杏らが出演。
成田凌、中村映里子、森田剛のコメントは下記の通り。(編集部・石井百合子)
映画『雨の中の慾情』は11月29日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
成田凌
このコメントを書くにあたって、なかなかこの作品に見合う言葉が出てこないのが正直なところです。数年前に企画書をいただいた瞬間の景色をいまだに覚えています。高ぶる感情を抑えられなかったのも。撮影は台湾9割、日本1割。日々が苦しく、楽しく、なんとも幸せで、気づけばこの作品にのめり込んでいました。どこへでも連れて行ってくれるようなスタッフと、どこまでも繋がれている気になってしまったキャストと、なかなか壮絶で、凄絶で、濃密な毎日を過ごさせていただきました。
この作品の公開が近づいてきた喜びや期待、願いなど、様々な感情がありますが、とりあえず、なんかすごいのできました。って感じです。最後投げやりですみません、終われない気がしたのでこの辺で失礼します。「雨の中の慾情」、よろしくお願いします。
中村映里子
片山慎三監督のユーモラスで奇異な演出、果てしない才能に驚嘆する毎日、多士済済の片山組。強烈に面白く楽しい撮影でした。私の中の野性が大喜びしていたのだと思います。しかし、撮影すればするほど、演れば演るほど、どんどん分からなくなっていったのです。これは、まさしく、つげ義春の世界を生きていた、ということでしょうか。そうであれば幸いです。すべての人間を祝福してくれるような作品になっていればと願っています。「雨の中の慾情」、よろしくお願いいたします。
森田剛
片山監督の岬の兄妹が好きで、今回参加出来る事が嬉しかったです。台湾でのロケは、何が起こるか分からないヒリヒリした緊張感のある現場でした。この作品の生々しい異世界を楽しみにしていて下さい。