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フランシス・フォード・コッポラ構想40年のSFローマ叙事詩『メガロポリス』は怪作ぶりがすごかった

第77回カンヌ国際映画祭

映画『メガロポリス(原題)』より
映画『メガロポリス(原題)』より

 現地時間16日、第77回カンヌ国際映画祭でフランシス・フォード・コッポラ監督(85)が構想40年を経てついに完成させたSFローマ叙事詩『メガロポリス(原題) / Megalopolis』(コンペティション部門)のワールドプレミアが行われた。『ゴッドファーザー』『地獄の黙示録』など言わずと知れた巨匠がこの長い歳月で300回リライトし、1億2,000万ドル(約186億円・1ドル155円計算)の私財をなげうって作り上げた同作は、そのバックストーリーと同様の怪作となっていた。

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 主人公は、自由に形を変える、画期的な新建築素材を使ったユートピアを作ることを目指す建築家シーザー(アダム・ドライヴァー)。現状を良しとし、彼の前に立ちはだかる市長のキケロ(ジャンカルロ・エスポジート)、そしてシーザーと恋に落ちるキケロの娘ジュリア(ナタリー・エマニュエル)の姿を追う。

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 キャラクターの名前からもわかるようにローマ叙事詩が近未来の退廃的なアメリカを舞台に展開するのだが、われわれは何者なのか、完璧な社会とは、ユートピアとは何かといった哲学的な問い掛けが繰り返され、ドラッグ使用でトリップした主人公のマインドもそのままスクリーンに映し出されるなど、自主製作だからこそといった怪作ぶり。映画の途中では上映会場にマイクスタンドを持った人物が現れ、シーザーに向けて質問をするという謎の演出もあった。

 近未来のビジュアルには特に目を引くものはないが、シーザーの“時間を止めることができる力”には、建築家、作曲家、そして映画監督しかり、時を止め、テンポを変え、時を超越するという芸術家ならではの時間との関わり方が表現されており興味深い。そのほかの出演はシャイア・ラブーフローレンス・フィッシュバーンジョン・ヴォイトダスティン・ホフマンなど。(編集部・市川遥)

第77回カンヌ国際映画祭は現地時間5月25日まで開催

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