【ネタバレ】「アンチヒーロー」最も議論した最終話の種明かし「いつバラすのか」飯田和孝Pの狙い
16日に最終話を迎えた日曜劇場「アンチヒーロー」(TBS系)の飯田和孝プロデューサーがインタビューに応じ、SNS上で白熱した考察合戦や、最終話での伏線回収について語った。(以下、最終話のネタバレを含みます)
「アンチヒーロー」は、殺人犯をも無罪にしてしまう“アンチ”な弁護士・明墨正樹(長谷川博己)の姿を通して、視聴者に「正義の反対は、本当に悪なのだろうか……?」を問いかける逆転パラドックスエンターテインメント。初回から伏線が張り巡らされ、回を重ねる毎に謎が回収されていくストーリー展開が話題となり、視聴者が放送後に考察を投稿するなど、毎話大きな反響を呼んだ。
昨年大ヒットした日曜劇場「VIVANT」の仕掛け人でもある飯田プロデューサーは、視聴者の考察や反応から「いろいろ課題が見つかったりするんです」と打ち明ける。「『これだと、こう感じるのか』『ここを繊細にやらなきゃいけないんだ』など、ドラマを制作する上での勉強として(視聴者の意見を)捉えています」
事前予告で「全伏線回収」と宣言していた通り、最終話では明墨と検事正・伊達原泰輔(野村萬斎)による直接対決の中で、怒濤の種明かしが行われた。中でも衝撃だったのは、伊達原の部下である緑川歩佳(木村佳乃)が明墨の協力者であったこと。検察時代の明墨と亡くなった桃瀬礼子(吹石一恵)の同期だった緑川は、12年前に起きた「糸井一家殺人事件」の冤罪を晴らすため、伊達原に接近していた。
「全10話のプロットを作っている段階で一番議論したのは、緑川が仲間であることをいつバラすのかでした」と飯田プロデューサーは告白。「緑川が仲間であるとわかると、伊達原の下でどう動けばいいのかということを、視聴者がどう見たらいいのか難しいと思いました」
「アンチヒーロー」の物語は、明墨・桃瀬・緑川から始まっていると続けた飯田プロデューサー。「緑川に関連するものがたくさんあるので、そこを明かすのはやっぱり最後だと思っていました。ただ、全て伏線を回収することが目的というよりは、皆さんにスッキリしてほしいなという思いがありました。みなさんが想像しているものより上回りたいという気持ちは、ドラマ制作中にいつも思うことで、そういったことも込められています」と振り返っていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)