「アンメット」杉咲花、若葉竜也に「どの出演作よりも輝いてほしいと思っていた」 涙のクランクアップ
今夜(24日)最終回を迎えるカンテレ・フジテレビ系ドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」(毎週月曜よる10時~)の放送を前に、主演・杉咲花のクランクアップ時のコメントが公開された。杉咲は「今までいろんな経験をさせてもらってきて、全部かけがいのない思い出なんですけど、心のどこかで、もどかしさとか口惜しさを感じてきたことが、『アンメット』に関わって報われたような気持ちでした。関わる人たちが、アイデアと体力を振り絞って、そして愛情を注ぎ続けたら、こんなに最高なドラマが出来上がるんだって、毎日が誇らしかったです」と撮影を振り返り、共演の若葉竜也についても触れている。
元脳外科医である子鹿ゆずるが原作、大槻閑人が漫画を担当した「モーニング」で連載中の同名漫画を原作にした本作。杉咲演じる記憶障害の脳外科医・川内ミヤビが変わり者の天才脳外科医・三瓶友治(若葉)の助けを得ながら、目の前の患者を全力で救い自分自身も再生していくさまを追う。
座長として撮影現場を引っ張ってきた杉咲は最後のシーンを撮り終え、「ミヤビ役、杉咲花さん、オールアップです!」の声がかかり花束を贈られると、その場にいた全員から盛大な拍手が。最後の挨拶を求められた杉咲はしばし静止すると感極まり、腕で顔を覆った。
杉咲は「これまでみなさんもいろんな仕事、いろんな経験をされてきたと思うんですけど、心がすり減ることとか、はらわた煮えくり返るくらいやり場のない気持ちになることとか、やっぱりあって。だけどそういう経験をしなくても、人は学べるし、成長できると思っていて。だからこの現場では、誰一人置き去りにしたくなかったし、誰もが居場所を見つけられて、この日々を愛せて、自分よりも年下のスタッフさんも多いなかで、もうちょっとこの仕事を続けてみようとか、この仕事選んでよかったって思ってもらえたら。そんな現場になったらいいなと思ってました。すべての役にファンがついてほしいって思ってました」とこれまでの経験をふまえて「アンメット」の現場に込めた熱い思いを吐露。
ミヤビの治療法解明に全力で取り組んできた三瓶を演じる若葉竜也とは、朝ドラ「おちょやん」や映画『市子』などで共演。本作でも毎話、ミヤビと三瓶のやりとり、触れ合いが「演技とは思えない」と話題を呼んでいたが、杉咲は「頑なに、ドラマを選んでこなかった若葉くんが、出演を決めてくれて。過去のどの出演作よりも、輝いてほしいと思っていたし、今までで一番記憶に焼き付く現場になってほしいと思ってました」と若葉への思いを打ち明けた。
さらに「この自分の中にある夢が叶ったかは、わからないですけど、でも、今の自分にできることは、すべて注いだつもりで、やり残したことはないと思っています」と完全燃焼したことを強調。「未熟な姿もたくさんお見せしてしまって、ご心配をおかけしてしまったこともあると思いますけど、現場にくると、絶対に手を抜かない皆さんがいて。どんなに過酷な状況でも、面白がってやってのける、このチームがむちゃくちゃ格好良かったです。ひとりひとりが、自分の仕事に意味を見出してる姿に、この現場だったら、どこまでもいけると思ってました。そんな皆様の姿を特等席で見つめながら過ごせた日々が幸せでした。また、みなさんに会いたいです。ありがとうございました!」とチームへの感謝、再タッグに願いを込めた。
最終話では、激しい頭痛で倒れたミヤビが検査の結果、再発が認められ、このまま症状が進めば意識障害が出る可能性も高いことが判明。脳梗塞が完成して命に関わるのも時間の問題という切迫した状況に陥る。三瓶は、数時間しか記憶がもたなくなっているミヤビに、これ以上症状が進行するようなら手術を任せてほしいと伝えるが、ミヤビの意思は固く、やはり手術はしないという。それでもあきらめきれない三瓶は、限られた時間でノーマンズランドの0.5ミリ以下の血管を吻合(ふんごう)できるよう練習に没頭。しかし、ミヤビの気持ちを察した津幡(吉瀬美智子)から「彼女が望んでいることをしてあげて」と言われ、あることを決意する。(編集部・石井百合子)