「仮面ライダーオーズ」渡部秀&三浦涼介だから成立した映司とアンク 映画『ガッチャード』田崎監督が振り返る名バディ
映画 『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』(全国公開中)を手がけた田崎竜太監督(崎はたつさきが正式表記)がインタビューに応じ、劇中に登場するレジェンドライダーの一人である仮面ライダーオーズの魅力や、テレビシリーズ当時の裏話を語った。
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「仮面ライダーオーズ/OOO」(2010~2011)は、欲望とは無縁の主人公・火野映司/仮面ライダーオーズ(渡部秀)が、右腕だけの怪人「グリード」のアンク(三浦涼介)と共に、人間の欲望を利用するグリードから人々を守るために戦う平成仮面ライダーシリーズ第12作。本作では、鳳桜・カグヤ・クォーツ(永田聖一朗)が変身する仮面ライダーレジェンドによってクウガ、電王、Wと共に召喚される。
人間の映司とグリードのアンクは、序盤こそ牽制(けんせい)し合いながらも、徐々に信頼関係を築き、仮面ライダーシリーズ屈指の名バディへと成長した。現在も高い支持を得ている「仮面ライダーオーズ/OOO」の魅力について、田崎監督は「映司とアンク、生まれも種族も違う二人の友情ではないでしょうか。最大の魅力はそこにあると思います」と語る。
テレビシリーズ当時、仮面ライダーオーズとして戦っていた渡部と三浦の姿はどのように映っていたのか? 田崎監督は、二人との思い出を振り返りながら、当時を懐かしむ。
「渡部秀くんは、宮崎(剛)アクション監督に会って変身ポーズを伝授されると、その場にあったワゴン車のボディーに自分の体を映して何度も練習していた姿を思い出します。仮面ライダーになれた! という喜びと責任感を痛感していたんでしょう」
「三浦涼介くんは、最初からアンクという役をよく理解して、ストイックに演じていました。腕だけの状態に声をアテたり、いろいろと挑戦的な役どころでしたが、三浦くんの演技力がアンクを生き生きとした存在にしてくれたと思います」
中でも、映司とアンクの別れを描いたテレビシリーズ最終話(第48話「明日のメダルとパンツと掴む腕」)は、平成仮面ライダーシリーズ屈指の名エピソードとして今も語り継がれている。田崎監督は、「エピローグで兄の信吾に車で送ってもらう泉比奈というシーンがあるのですが、信吾を演じている三浦くんを見て『あぁ、もうアンクはいないんだな』と悲しくなった感覚を覚えています」とアンクではない三浦の姿から喪失感を感じていたという。
クライマックスで描かれる、空から落下するアンクと映司の最後のやりとりは「一年かけて映司という役を煮詰めた渡部くんだからできた名シーンだと思います」と田崎監督。「田崎世代としては石ノ森章太郎先生の『サイボーグ009』のいわゆる“どこ落ち”なども意識しつつ撮りましたが、実際はグリーンバックのセットで吊られた状態で芝居しなくてはならず、渡部くんの驚異的な集中力があって成立したシーンでした」
映画 『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』では、レジェンドライダーとして登場するオーズ。中には、本作をきっかけに「仮面ライダーオーズ/OOO」を初めて観る子供たちもいるだろう。田崎監督は「10年以上前の仮面ライダーですが、きっと今のお子さんたちが見ても楽しんで頂けると思います。多彩なフォームチェンジで敵と戦う姿を、ぜひご覧下さい」とアピールしていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)