「源氏物語」爆誕の演出話題 「物語が降りてきた」「開眼!」
吉高由里子が紫式部(まひろ)役で主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)の18日放送・第31回では、ついに「源氏物語」が誕生する過程が描かれ、待ちに待ったその瞬間、独特な演出に歓喜の声で沸いた(※一部ネタバレあり)。
「パリオリンピック」による放送休止を経て2週間ぶりの放送となった本エピソード。またしても道長(柄本佑)とまひろが再会した途端に次週に持ち越されていたため「長い一週間だった」「ようやく観られる…」としびれを切らす視聴者の声が多く上がっていたが、第31回「月の下で」はまひろが道長の依頼を受け、越前和紙提供、物語のための取材を経て、帝に献上するための「源氏物語」に着手する記念すべきエピソードとなった。
娘の賢子(福元愛悠)に物語「カササギ語り」を燃やされてしまい意気消沈のまひろだったが、そこへ道長が「帝のお渡りもなく寂しく暮らしている中宮様を慰めたい」と物語の執筆を依頼。はじめは渋っていたまひろだったが、やがて道長の真の目的を知ると帝・一条天皇(塩野瑛久)のための執筆を決意。そのために「帝の生身のお姿をお聞かせください」というまひろの願いを受け、道長が帝の身の上を語り出す様子にSNSでは「まひろの取材始まった!」「新連載の打ち合わせをする編集者と作家のよう」と期待に胸を膨らませる声が寄せられ、とりわけまひろの“閃き”をあらわすかのようなイマジネーション豊かな描写が注目を浴びた。
それは物語の着想に悩んでいたまひろに色とりどりの紙が舞い落ちてくる……というシーンで、視聴者は「物語が降りてきた?」「源氏物語くるねー」「開眼!」と大興奮。戸田恵梨香&加瀬亮主演のドラマ「SPEC(スペック) ~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿」を思い浮かべる声も見られた。
さらに、まひろと道長が月を見上げる場面も「エモい」と話題に。これまで二人がそれぞれ月を見上げるシーンが随所に挿入されていたが、本エピソードではまひろが道長を見送る際にふと「人はなぜ月を見上げるのでしょう」とつぶやき、二人で同じ月を見る展開に。道長はこれまでまひろを想って月を見上げてきたことを示唆し、二人で在りし日の直秀(毎熊克哉)に思いを馳せ、見つめ合うという場面だった。
月を見上げるシーンはまひろと道長が遠く離れても常に互いを想っていることを表すかのような、象徴的なシーンとして登場していたが、それらを回収するような場面に「こういう風につながるのか」「やっと一緒に月を見られたのね」「2人が同じ場所で月を見てるのエモい」と感じ入る声が多く寄せられていた。加えて、まひろが今もなお直秀が残した「おかしきこそめでたけれ」の言葉を胸に刻んでいるところも視聴者の琴線に触れた。
終盤、すでに物語が道長にわたってからもなお推敲を重ねるまひろに、父・為時(岸谷五朗)が「それはもう左大臣様にお出ししたのであろう。まだ直すのか」と驚く場面があったが、「物語は生きておりますゆえ」と手を動かし続けるまひろの姿は作家そのもので、物語を手にした一条天皇の反応に注目が集まる。(石川友里恵)