「アガサ・オール・アロング」レビュー:魔女たちが挑む恐怖の試練、カオスMAXな「ワンダヴィジョン」正統続編
マーベルドラマ「ワンダヴィジョン」(2021)で強烈なインパクトを残した魔女アガサ・ハークネスが、ディズニープラス配信の最新作「アガサ・オール・アロング」でマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に帰ってくる。19日の配信開始に先駆け、ドラマの第1話から第4話までがメディアに先行公開された。「ワンダヴィジョン」で視聴者を欺いた邪悪な魔女が、本作でも期待を裏切らず、初回から魅力全開でドラマを掻き乱していく。
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「ワンダヴィジョン」の物語で暗躍していたアガサは、最強の魔女スカーレット・ウィッチとして覚醒したワンダ・マキシモフとの死闘の末、彼女に魔力と記憶を奪われてしまった。本作は「ワンダヴィジョン」の正統な続編として、ワンダの呪縛から解放されたアガサが、再び最強の魔女として君臨するため、危険な試練が待ち受ける“魔女の道”を進むことになる。
「ワンダヴィジョン」の序盤は、エピソード毎に時代設定が変化し、コスチュームやセットも各時代を象徴するデザインに変更される仕掛けだった。「アガサ・オール・アロング」も同様に、クライム・サスペンス風の初回からはじまり、アガサが魔女の道に足を踏み入れると、『ホーカス ポーカス』『サスペリア』を彷彿させるダーク・ファンタジーの世界観に一変。“魔女の道”では、アガサたちの服装も目まぐるしく変化するため、毎週新鮮な気持ちでドラマに没入できる。
本作が他のドラマシリーズと決定的に違うのは、本格的なホラー描写が至る所に盛り込まれているところだ。製作総指揮に名を連ねるマーベル・スタジオ重役のブラッド・ヴィンダーバウムが「本当に怖い」とマーベル公式ポッドキャスト番組で予告していた通り、予告なしで視聴者を驚かせるジャンプスケアや、往年のホラー映画をオマージュした異形のモンスターが次々と登場する。カオスに満ちた“魔女の道”で通用するのは、アガサたち魔女の能力と知識のみ。彼らが予想外の方法で恐怖と対峙するギャップも見応えありで、ホラーとファンタジーの緩急ある展開も、ドラマをより一層引き立てる。
アガサと共に“魔女の道”を進む、新キャラクターたちも魅力的だ。変わり者の占い師、化学と錬金術に特化した皮肉屋、アガサと因縁が深い謎めいた魔女……といったアガサに引けを取らないクセ者だらけで、裏切りまくりのアガサを警戒しつつ、魔女同士が徐々に絆を深めていく。主演のキャスリン・ハーンらキャスト陣は、阿吽の呼吸で演技合戦を繰り広げ、劇中では歌唱パフォーマンスに挑戦している。「ワンダヴィジョン」でバズった「Agatha All Along」に続き、『アナと雪の女王』のロバート&クリステン・アンダーソン=ロペス夫妻が書き下ろした新曲「The Ballad of the Witches' Road」は魔女たちのテーマ曲に相応しい中毒性あるナンバーで、ハロウィンシーズンに思わず口ずさみたくなるはずだ。
19日配信の初回2話は「ワンダヴィジョン」のフォローアップのような構成で、翌週から配信される第3話から、いよいよ“魔女の道”での試練が幕を開ける。「ワンダヴィジョン」にまつわる小ネタはもちろん、マーベルファンが驚く“とあるワード”も飛び出すなど、細部まで見逃し厳禁だ。(編集部・倉本拓弥)
「アガサ・オール・アロング」初回2話はディズニープラスにて独占配信中(毎週木曜日に新エピソード配信)