「相棒23」刺された亀山薫、生命力の高さにネット驚愕【ネタバレあり】
連続ドラマ「相棒season23」(テレビ朝日系・毎週水曜よる9時~)の第8話「瞳の中のあなた」が18日、放送された。特命係の亀山薫(寺脇康文)が、冒頭で刺されるというまさかの展開でスタート。持ち前の観察眼で事件のヒントを見つける杉下右京(水谷豊)に「さすが!」の声が挙がる中、物語自体には「なんか切ない……」「愛情入り混じっている」と哀しみを感じた人も多かったようだ。(以下、第8話の内容に触れています)
ボランティアで視覚障がい者の女性・三郷藍里(森マリア)の伴走をしていた薫が、ランニング中の公園で何者かに刺された。薫に恨みを持つ者の犯行と思われたが、手がかりはつかめない。そんな中、藍里が視力を失った経緯を知った右京は、その事件に絡む犯行の可能性が高いと気づく。藍里は2年前、尾澤家で起きた強盗殺人に偶然出くわして犯人ともみあいになって転落、失明してしまったという。近日中に手術で視力を取り戻すことになっていた藍里を狙った犯行だったのか? 藍里は、襲撃犯から除光液の匂いがしたと証言した。
幸いにも軽症だったため、すぐに捜査に復帰した薫に「鈍亀は大人しく寝床に帰って寝てろ!」と憎まれ口をたたく伊丹憲一(川原和久)。「さすが亀ちゃん。頑丈だなぁ」と刺されるというドラマチックな出来事も軽く乗り越えた薫への驚きの声と、「実はイタミン、心配してる?」という伊丹へのいたわり(?)の反応も見受けられた。
2年前に尾澤家で殺されたのは妻だった。その夫・勝臣が勤める墨川区役所の会計課で金の使い込みがあると内部告発があり、その犯人だった課長が自殺していた。いまだに5千万円は見つからない。勝臣は、隣家の坪倉もふくむ外壁に「税金泥棒」などと落書きをされ、塗り替え費用まで負担したと訴えた。右京は、除光液の匂いは塗料の匂いと同じだと、塗装業者に目をつける。
壁の塗り替えを行ったセブン塗装の木浪凌大を、部屋の中で遺体で発見した特命係。練炭コンロの一酸化炭素中毒で死亡していたが、木浪はスタンガンで気絶させられて殺されていた。薫たちを襲ったナイフが現場にあり、襲撃犯は木浪と確定。さらに2年前の強盗殺人も指紋が一致し、木浪の仕業だとわかった。
木浪の遺留品から勝臣の指紋が出たため、自宅に隠していた横領した金を木浪に盗まれたことから、勝臣が木浪を殺したと捜査一課は疑っていた。だが、木浪のスマホから公園をランニングする藍里と、いつも藍里の伴走を務めていた生花店の同僚・野瀬匠(レイニ)の写真が見つかったことから、薫は野瀬に間違われて襲われたのだと右京は推理する。
藍里がかつて自殺未遂をしたときに助けてくれた服部という男が、実は野瀬だという。藍里の部屋にあった封筒の筆跡から、右京もそれに気づいていた。店で働けているのは紹介してくれた野瀬のおかげで、野瀬は悪い人ではないと言う藍里。正体を明かさないのは、見返りを求めずに藍里を純粋に支えたいという野瀬の優しさだと、美和子(鈴木砂羽)とこてまり(森口瑤子)ははしゃいでいるが……。
野瀬は、藍里を助ける少し前に妹が病気で亡くなっていた。妹が入院していた病院と、木浪が塗装の仕事をした病院が一致すると、木浪の部屋にあった卓上カレンダーから気づいた右京。強盗殺人事件は木浪の単独の犯行ではなく、妹の手術費のための金を必要としていた野瀬も共犯だった。木浪は、自首しようとした野瀬を狙い、誤って薫を刺していた。さらに木浪を殺したのは、勝臣が金を隠したのを目撃して木浪に強盗をたきつけた坪倉だった。
2年前に藍里がもみあったのは、野瀬だった。妹を亡くした野瀬は、被害者の藍里が気がかりで、自殺から救ったり、仕事を紹介したりしていたのだ。目が見えるようになった藍里は、「犯人はこの人です!」と野瀬を指さす。「よかった」と泣く野瀬の声を聞いて、真実に気づく藍里。野瀬が優しくしてくれたのは、ただの罪滅ぼしだった。許せないと憎もうとしたがダメだったという彼女に、特命係は「無理に憎まなくてもいいんじゃないかな」「受け取ったものをすべて否定しなくてもいいと思いますよ」と優しく声をかけた。
筆跡といい、卓上カレンダーといい、小さなことに気づく右京の観察力と注意力は健在。「すごいなぁ、右京レーダー」「よく気づくなもんだ」と賞賛の声が集まっていた。
次回は2025年1月1日放送の元日スペシャル「最後の一日」。今年は人気ニュースキャスター・桧山弘一(高嶋政伸)が娘を人質に取られる事件が発生する。さらに、約1年ぶりに特命係第三の男・陣川公平(原田龍二)が登場。「お久しぶりの陣川くんがどう引っ掻き回すのかも楽しみ」と言われるほどトラブルメーカーの彼が、今度は誰に恋をするのかにも注目だ。(文・早川あゆみ)