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大泉洋、ダークヒーロー・蓮田兵衛に共通点 二面性伝える新場面写真公開

映画『室町無頼』より大泉洋演じる蓮田兵衛の新場面写真
映画『室町無頼』より大泉洋演じる蓮田兵衛の新場面写真 - (C)2025『室町無頼』製作委員会

 直木賞受賞作家・垣根涼介の同名小説を実写化する映画『室町無頼』(1月17日公開)で主演を務める大泉洋。本作では日本史上、初めて武士階級として一揆をおこしたとされる主人公・蓮田兵衛(はすだ ひょうえ)を演じており、大泉が撮影を振り返る中で兵衛と自身の共通点について語った。あわせて、兵衛の新たな場面写真が公開された。

【画像】大泉洋、堤真一と激突!

 大泉が演じる兵衛は、大飢饉と疫病が蔓延する室町時代に己の腕と才覚で世を泳ぎ、密かに倒幕と世直しの野望を抱く無頼漢で剣の達人。昨年、映画『あんのこと』も話題を呼んだ入江悠監督のもと、撮影時50歳を迎えた大泉が本格的な殺陣・アクションに挑み、ダークヒーローともいうべき主人公をひょうひょうと、エネルギッシュに演じている。

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 大雨とかんばつが交互に訪れたことによる大飢饉、更に疫病が蔓延し数多くの流民が京都に流れ込んできた応仁の乱前夜。悪徳金貸しが横行し、貴重な種もみや妻と娘までも借金のカタに奪われる光景が日常茶飯事の一方、幕府の役人達は民の困窮を見て見ぬ振りをし、贅沢の限りを尽くしていた。そんな時代に現れた兵衛は流民の親子に情けをかけたり、村人たちに無償で盗賊からの自衛策を指南する懐の深さを持つ一方、通行料を搾取する関所の役人や悪党を躊躇なく切り捨てた上に金品を奪う悪どい一面も。虐げられていた若者・才蔵(なにわ男子長尾謙杜)の師匠であり、京の悪党たちからも恐れられる市中警護役の骨皮道賢(堤真一)の悪友であり、当代一の高級遊女・芳王子(松本若菜)のかつての恋人であり、村人から屈強な牢人までをも心酔させる。

 大泉は演じた兵衛のキャラクターについて、「非の打ち所がないヒーローではなく、無頼というくらいだからどこか悪いこともいっぱいしてきたんだろうなと。間違えたことは絶対にしたくないという“正しい男”というより、どこかずるいこともしているのに筋は一本通っている。その感じは本当にかっこいいですよね。一本筋が通っているから、この人なら信じられるという強さがある気がします」と魅力を分析。「僕は正直、みんなをぐいぐい引っ張っていくというのは向いていないんです。ただ、兵衛も本来は自分が先頭に立つタイプの人間ではないと思うんですよね。だけど、やるしかなかった。時代というものが、周りを引っ張っていくことを彼にさせた。彼もそうするしかなかったのかなと思っています。期待に応えたいと進んできた結果、道ができていたり、気づいたら周りに人がいて助けてもらうという点では、兵衛と重なるかもしれません」と自身との共通点に触れる。

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兵衛の新場面写真

 また、大泉は本作には現代に通ずることがあるといい、「室町時代の後期は政治が機能していなくて、飢饉もあってとんでもない数の餓死者が出て、本当に荒廃しきっている。それはどこか、昨今のコロナの時代にも重なるものがあると思うんです。たまたま僕たちは医学、科学が進歩していたからなんとか乗り越えたけれど、例えば室町時代にこれだけの感染症があれば、さらにものすごい数の人が亡くなっていたのだろうなと。本当に死と隣合わせの時代だったのだろうというのは、コロナ禍を経験した今、想像ができました」と持論を展開。「兵衛は自分の命はどこか諦めていても、他の人のためにこの状況を変えてやるという覚悟があった。それを胸に強く持って演じました。戦う中で仲間ができるのだけれど、その仲間も含めて、なんとかみんなを死なせたくないという思いで頑張っていました」と役へのアプローチを振り返る。

 本作では大泉が本格的な殺陣にも挑んでおり、「もっと若いうちにやれたら良かったとも思ったけれど、この歳だからできる味わいはあると思いました。時代劇というのはやっぱりこれからも残していきたいもの。時代劇でしか出せない人々の熱というのはあると思うんです。死がもっともっと身近な時代で、生きていくことが簡単ではなかった時代。今は今で大変なのかも知れないけれど、どうやって自分を、家族を死なせずに生きていくのかということに一生懸命だった時代。それはやはり、時代劇でしか表現できないこと。それでも現代とは全く違うのかというと、そうでもない。生きていくということに一生懸命だった時代を見ることで、今の自分の生き方が研ぎ澄まされる。シンプルに物事を考えられる。そんな気がするんです。時代劇は、もっとシンプルに『自分は何ができたら幸せなんだろうか』といったことを考えるきっかけになるような気もしています」と時代劇だからこそ伝えられることに言及している。

 公開された場面写真2点は、雨に打たれながら悲壮な表情を浮かべる姿、燃え盛る館を背景に馬上から一揆の仲間たちに檄を飛ばす姿という彼の2面性を伝える。(編集部・石井百合子)

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