ADVERTISEMENT

「相棒」パジャマ姿の右京vs巧妙詐欺師集団 変化球な推理劇に反響【ネタバレあり】

右京さん、パジャマ姿で推理!
右京さん、パジャマ姿で推理! - (c)テレビ朝日

 22日、ドラマ「相棒season23」(テレビ朝日系)の第12話「細かいことが気になる患者」が放送された。検査入院中の杉下右京(水谷豊)が、病院を乗っ取ろうとする詐欺集団に気づき、それを阻止しようとする物語。亀山薫(寺脇康文)らを実働隊にした“安楽椅子探偵”のテイストもあり、「珍しく殺人事件ではなく詐欺事件だ」「詐欺師の巧みな手口に、右京さんの緻密な推理が光ってた!」「今回も右京に痺れた」とちょっとした変化球と安定の推理劇に、SNSは盛り上がっていた。(以下、第12話のネタバレを含みます)

【画像】怪しすぎるコンサル集団…第12話場面カット

 右京は異常に細かい脳波が常態化しており、非常に稀なサンプルだということで、検査入院をすることになった。看護師の中澤良子(林田麻里)は、病院長の寺田昌己(山口粧太)は経営が下手だと愚痴っており、そのために寺田はコンサルタントを名乗るライリー・櫻井(岩谷健司)、弁護士の有澤一郎(内村遥)、元劇団員の高橋理沙(橘さり)、元ベンチャー企業社長の岡村直人(飯山裕太)らの提案に乗り気だ。だが右京は、彼らの時計や日焼け跡など細かい矛盾が気になり、薫に「ひとつお願いしてもいいですか?」と言うと、薫は「はいはいはいはい、なんでしょう!」とノリノリだ。

ADVERTISEMENT

 薫は、エンジェル投資家の白鳥を名乗っていた飯窪郡治(三田村賢二)に接触。とても資産家とは思えない生活だと掴むが、美和子(鈴木砂羽)の調査では、ライリーの会社は登記やサイトの情報に怪しいところはないという。右京は「本当と嘘を混ぜると、何が本当で嘘かわからなくなります」とライリーの巧妙さを察する。

(c)テレビ朝日

 ライリーのスーツがイギリスの老舗スーツメーカーのものだと確認する右京。「細かいことが気になるのが」と右京が言うと「あなたの悪い癖ですね」とライリーが返し、「よくご存じで」と薫。そのスーツは『素晴らしき嘘つき野郎』という古い映画で主人公の詐欺師が着ていたもので、ライリーは取り扱いのある老舗テーラーの上客だった。

 ライリーは、経営再建のためにと有澤らを理事に仕立て、さらに医師の土居にふんした小林圭介(管勇毅)を理事長にし、寺田を解任する。右京は患者として病院に残って調査を続けるという。薫は角田課長(山西惇)、捜査一課の伊丹憲一(川原和久)、芹沢慶二(山中崇史)、出雲麗音(篠原ゆき子)を病室に引き入れ、協力を要請。「僕らはお見舞いに来ただけ」という芹沢を、薫は「そんなこと言わないの。警視庁一、頼りになるトリオじゃないですか」とおだてる。伊丹は「おべんちゃらぬかしてんじゃねえよ」と反発しながら、右京の話を補足した。角田が右京に「安楽椅子探偵気取りかよ」と言うと、右京は「うまいことおっしゃる」と返した。巧妙なレギュラー陣の会話に「テンポいいなあ」「楽しい!」と声が上がっていた。

ADVERTISEMENT

 白鳥の倉庫で隠されていた銃を発見した薫と角田。薫は飯窪に接触、なりすましを認めさせ、角田はライリーと反社・武輝会の関係に着目した。一方でライリーは、かつて挫折した3人を経済的に援助したり、ホームレスなど弱者に優しい一面も見られたが、ついに本性を発揮し、病院を売却すると寺田に宣言する。だが、右京が乗り込んで「警視庁特命係の杉下右京です」と名乗り、ライリーたちを凍り付かせた。

(c)テレビ朝日

 薫が接触したホームレスの中に、かつてライリーと同じ老舗スーツを愛用していたスマイリー博士と名乗ったロマンス詐欺師・田中がいた。彼は過去、食い逃げをしようとした少年を詐欺師に育てあげ、それがライリーだったのだ。薫は、ライリーのかつての住処で大金を発見する。無防備な小屋にあえて大金を隠した行為を、右京は「自己陶酔と破壊衝動にかられたロマンチックな行為」と評しつつ、「本当に頭のいい人間は詐欺師にはなりません」と断ずる。一派は全員、警察に確保された。

ADVERTISEMENT

 右京がハニーブッシュティーをふるまった入院患者の八木かよ(今本洋子)は、病院に遺産を寄付するという。ちゃんとした専門家をつけて、馴染みの病院を守ってほしいというかよに、寺田は頭を下げる。薫が右京の状態を聞くと、寺田は「異常な脳波が、杉下さんにとってはふつうの状態であることが確定しました」と回答。右京は複雑な顔を浮かべていた。

 ライリーが、時々様子を見てほしいと右京らに頼んできたスマイリーは、すでに路上で亡くなっていた。彼は改めて右京に話を聞いてほしいと懇願する。「どうせなら細部までちゃんと語りたい。素晴らしき、嘘つき野郎の物語をね」というライリーに、右京は「かまいませんよ。どんな些細な罪も見逃さないように、僕たちが取り調べましょう」と返した。

(c)テレビ朝日

 前半はほぼずっと、右京がガウンやカーディガンを羽織ったパジャマ姿という、超レアな回。preseason3の盲腸で入院した際や、season18第1話「アレスの進撃」で北海道の離島で見せたワンピース型など、パジャマ姿はいくつかあるが、ここまで長時間スーツ以外を着用するのはめずらしい。さらに、「細かいことが気になるのが僕の悪い癖」という右京の定番台詞をライリーが半分語ったり、角田曰くの「安楽椅子探偵」な右京をボス格にレギュラー陣が捜査をして回ったりという変化球な構成も楽しい。「右京さん、性格だけじゃなく脳波まで細かい」「この詐欺師集団ツイて無いねー。杉下右京に会っちゃったw」という、右京への賞賛(?)も寄せられていた。

 次週のゲストは、「相棒」初登場の和泉元彌。先週話のゲストだった羽野晶紀と、リアルな夫婦が別話で登場するという不思議なつながりも。「複数の考えや感情が流れている役」という難役に彼がどう挑んでいるのか、楽しみにしよう。(文・早川あゆみ)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT