『キャプテン・アメリカ:BNW』ティアマット再登場の背景 『エターナルズ』後の処理、マーベルも悩んでいた

映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(全国公開中)のプロデューサーを務めたネイト・ムーアが、『エターナルズ』から再登場となったティアマットの処理について、Entertainment Weekly で背景と狙いを語った。(以下、『ブレイブ・ニュー・ワールド』の内容を一部含みます)
【画像】続編は当面ナシ…ティアマトが出現した『エターナルズ』
ティアマットは、『エターナルズ』(2021)の終盤に突如出現した新たなセレスティアルズ(=宇宙創世期から存在するコズミック・ビーイング)。人類を影で見守っていた超人種族エターナルズのセルシは、地球の崩壊を防ぐためにティアマットを凍らせ、その残骸はインド洋に残ったままだった。『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』では、ティアマットの残骸から超金属アダマンチウムが採掘されたことが言及され、アメリカ大統領に就任したサディアス・ロス(ハリソン・フォード)が、アダマンチウムの所有権を巡り、世界各国へ条約批准を求めた。
インド洋に残ったティアマットの残骸は、『エターナルズ』以降のマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品で扱われることがなかった。ネイトによると、マーベル・スタジオ内部でもティアマットをどうするべきか、疑問の声があがっていたという。
「私たちがやりたくなかったのは、ティアマットを背景の一部として、何の脈絡もなく他の映画に登場させ続けることでした。だからこそ、ティアマットを再び物語に取り入れるために、しっかりとした理由を持たせることが重要でした」
“ティアマト問題”の解決策となったのが、ウルヴァリンにも結びつくアダマンチウムとのリンクだった。「ティアマトからアダマンチウムを採掘できることにすれば、MCU独自のストーリーを作り上げられると考えました。私たちは原作コミックの要素を多く取り入れつつ、MCUの壮大なストーリーを築き上げています。そして、過去の出来事を重ね合わせながら、一貫した物語を構築することを目指しているのです」
『エターナルズ』ではティアマトのみならず、ポストクレジットシーンで今後のMCUに影響しそうないくつかの伏線を張っていた。しかしながら、続編製作については、マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギが「当面予定はない」と昨年7月にInverseで断言している。(編集部・倉本拓弥)