妻の死に打ちのめされていた『ハリー・ポッター』俳優、涙のスピーチ

映画『ハリー・ポッター』シリーズのフリットウィック先生役や小鬼のグリップフック役で知られる俳優ワーウィック・デイヴィス(55)が第78回英国アカデミー賞(BAFTA)授賞式で行った涙のスピーチが、話題を呼んでいる。ワーウィックの妻サマンサ・デイヴィスさんは昨年、53歳で死去しており、当時の彼は精神状態が心配されるほど打ちひしがれていた。
ワーウィックと女優のサマンサさんは『ウィロー』(1988)の撮影現場で出会い、それから3年後に結婚。『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』には夫婦で出演したほか、二人は小人症の人々とその家族をサポートするチャリティー団体「リトル・ピープルUK」も設立した。
今回、功労賞にあたる英国アカデミー賞フェローシップ賞を受賞したワーウィックは、ユーモアをちりばめながら壇上でスピーチ。「この賞をわたしの素晴らしい妻、サミー(サマンサの愛称)にささげ、彼女に感謝したいです。彼女は約1年前に亡くなりました。彼女は常にわたしのキャリアを支えてくれて、この手で全てのチャンスをつかむよう励ましてくれました」と切り出すと、「しかしながら、わたしはすぐに気が付いたわけですが。彼女の熱心さは、彼女がどれだけ新しいデザイナーハンドバッグを欲しいかとしばしば関連していることに」とジョークで笑わせる。
「彼女が亡くなってからの人生は、とてもつらいものでした。ですがわたしたちの素晴らしい子供たち、アナベルとハリソンのおかげで、わたしは仕事を続け、人生を続けることができています」と語ると、客席のアナベルは涙を流していた。
「“スポンジ”についても言及しなくてはなりません。君のことだとわかっているね?」と謎の人物に呼び掛けたワーウィックは、「わたしに人生にはまだ意味があると示してくれ、笑えるようにしてくれ、そしてもう一度愛せるようにしてくれてありがとう」と涙で声を詰まらせながら続けた。詳細は不明ながらワーウィックに生きる気力を与える出会いがあったようで、ファンからは「素晴らしいスピーチ」「あなたと“スポンジ”が共に素晴らしい人生を送れますように」と祝福と二人の幸せを願う声が多数寄せられている。(編集部・市川遥)