松村北斗、キネ旬主演男優賞に感謝　グループへの思いも明かす「人生を共にする仲間がいる」

　SixTONESの松村北斗が20日、都内で開催された「2024年 第98回キネマ旬報ベスト・テン」の授賞式に登壇した。映画『夜明けのすべて』で主演男優賞を受賞した松村は「歴史がある賞をいただけて心の底から嬉しい」と感慨深げな表情を見せた。

【画像】松村北斗、河合優実ら登壇「キネマ旬報ベスト・テン」授賞式

　瀬尾まいこの小説を映画化した『夜明けのすべて』は、瀬尾自身のパニック障害の経験を基に、人には理解されにくい疾患を抱え、生きづらさを感じながら生きる男女の交流を描くヒューマン作品。同作は主演男優賞のほか、日本映画ベスト・テン第1位（作品賞）、日本映画監督賞と読者選出日本映画監督賞（三宅唱監督）を受賞するなど4冠に輝いた。

　登壇した松村は「話すことをいくつか考えてきたのに、どれもしっくりこない。それくらい重みのある賞。素直に嬉しいです」と語りながら、「僕じゃなく、あの方のおかげだし、あの方も受賞してほしかった……そんな気持ちにもなりました。そういう人たち一人一人に感謝し、いつか恩を返し、またそういう方と出会えるであろう、ワクワクする気持ちを胸に精進していきたい」と決意を明かした。

　また『夜明けのすべて』について「いろんな側面がありつつも誰かに居場所を作ってあげられるような物語だった」と振り返った松村は、終始緊張の面持ちでスピーチ。アイドルと俳優活動を並行してやり遂げていることについて尋ねられると「どこに行っても刺激を与えてくれる人がいて、その人に自然と引っ張ってもらっています。どちらも仲間がいる仕事ですが、アイドルグループは人生を共にする仲間がいて、自分の占めるパーセンテージが多いけど、映画は主軸が作品。みんなで一つの作品を作り、みんなで貯金箱に溜め込んでいくような印象があります。そこに大きな違いを感じます」と自身の考えを述べていた。

　三宅監督も松村の受賞を喜び、自身の受賞スピーチの際には、松村の方を振り返って「おめでとう」と笑顔。そんな三宅監督の印象について、松村は「豪快と言われているけど、実は繊細な方です。現場自体を作品と捉えているのか、作品を作るがごとく、現場の雰囲気も作ってくれていました。すごく不思議な方で、全部自分でできたと錯覚するほど、影で僕を導いてくれていたと思います。すごく吸引力の強い監督でした」と感謝していた。（取材・文：名鹿祥史）