ADVERTISEMENT

『ラストマイル』野木亜紀子、脚本賞に感慨 全財産400円だった時も「何一つ無駄なことはなかった」

「良き設計図を書けるように、精進していきたい」脚本賞を受賞した野木亜紀子
「良き設計図を書けるように、精進していきたい」脚本賞を受賞した野木亜紀子

 脚本家の野木亜紀子が20日、都内で開催された「2024年 第98回キネマ旬報ベスト・テン」の授賞式に出席した。野木はドラマ「アンナチュラル」「MIU404」を共に手掛けた塚原あゆ子監督、新井順子プロデューサーと再び組んだ『ラストマイル』で日本映画脚本賞を受賞した。

【画像】「アンナチュラル」「MIU404」キャスト集結の『ラストマイル』プレミア

 『ラストマイル』は、大手ショッピングサイトのセンター長とチームマネージャーが、協力して連続爆破事件の解決にあたるサスペンス作品。「アンナチュラル」「MIU404」と世界観を共有する“シェアード・ユニバース”作品としても話題を呼んだ。

ADVERTISEMENT

 受賞について野木は「メールを受け取った時は何かの間違いだと思った。3回くらい見直しました」と笑顔で振り返ると「ドラマとつながっているわけではないけれど、そこから派生した作品を選んでくださって、感謝しています」としみじみ語る。

 「振り返れば私は、皆さんご存じの通り、テレビドラマの脚本で成り上がってきたわけですが、もとは日本映画学校という専門学校で映画を志していたんです」と映画と自身の関わりを語る野木。その後、ドキュメンタリー制作の現場に従事し、やがて脚本家を志すようになったと明かし「なかなかなれず、アルバイトや派遣社員で食いつなぎ、まぁひどい時は全財産が400円しかないけどこれ、給料日までどうやって生きていくんだろうなっていうようなこともありました」と下積み時代を振り返る。

 その後、なんとかテレビドラマの脚本家になれたと続けた野木は「そんな中、今回一緒に映画を作った塚原あゆ子監督と新井順子プロデューサーと一緒にドラマを作った先に、このような賞をいただき、映画を志して約30年かかったわけではありますが、このような場に立つことができ、何一つ無駄なことはなかったし、これまで出会った、支えてくれた皆さんに感謝します」と語った。

 さらに「この賞をゴールではなく、始まりとしたいと思っています」と語った野木は「1人では決して作ることのできない、総合芸術が映画だと思っています。皆さんが全力で関わることのできる良き設計図を書けるように、精進していきたい」と前を向いた。(取材・文:名鹿祥史)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT