「仮面ライダーガッチャード」加部亜門、11年ぶりの意外な再会も 楽しく演じ切った加治木涼【インタビュー】

特撮ドラマ「仮面ライダーガッチャード」で主人公のクラスメイト・加治木涼を演じた俳優の加部亜門がリモートインタビューに応じ、テレビシリーズからVシネクスト『仮面ライダーガッチャード GRADUATIONS/ホッパー1のはるやすみ』まで、キャラクターと向き合った約1年半を振り返った。
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「仮面ライダーガッチャード」は、主人公・一ノ瀬宝太郎(本島純政)をはじめとする錬金術師が、人工生命体“ケミー”を巡る戦いに挑んだ令和仮面ライダーシリーズ第5作。加治木は、宝太郎と同じ富良洲高校に通うオカルト好きな青年で、テレビシリーズ終盤では、ガッチャードとして戦う宝太郎をサポートするため、錬金術師たちと行動を共にした。
フットワークが軽い加治木とは「(性格が)全く似ていない」という加部は、「だからこそ、役づくりで悩んだことがないんです。台本をいただいたら、とにかく楽しんで演じていました」と役へのアプローチを明かす。
テレビシリーズ序盤から存在感を放った加治木は、第9話「ダッシュで京都!修学旅行!」と第10話「炎の京都!-悲恋・ケミー雷電事件-」で早くもメイン回が登場し、修学旅行先の京都で出会った女性・姫野聖(木下彩音)とのロマンスが描かれた。聖に対して純情な加治木を演じた加部は、「キャラクターとして一貫したものを持っているということを見せるという意味では、第9話と第10話はすごく重要でしたし、面白かったです」と撮影を懐かしむ。

テレビシリーズの監督陣には、仮面ライダーシリーズ初参加の田口清隆が名を連ねており、加治木が退魔師・スターシャイン星野(青柳尊哉)の一番弟子=パンドラ加治木として躍動した第28話「ベロベロ怪奇! 蓮華の里帰り」と第29話「この村は泣いている」を手がけた。
この時、加部は田口監督と11年ぶりの再会を果たしていた。加部は、2013年に円谷プロダクションとWOWOWが共同製作した特撮ドラマ「ネオ・ウルトラQ」第9話に森安ヒロシ役で出演しており、同話を手がけたのが田口監督だった。
「お互い打ち合わせをしたり、アドバイスしている時に気づかなくて、撮影が始まって『そういえば田口さん「ウルトラQ」やってましたよね。僕、出てました』言ったんです。作品がオムニバスで、田口監督が担当してない回もあったので、『そうだっけ?』みたいなことを話していたら、ちょうど田口監督が担当された回に僕が出ていて、『あ、そういえば!』となりました。『ガッチャード』でも難しく考えることなく、田口監督は基本長回しなので、『もう好きにやっていいよ』みたいな感じで楽しくできました」

テレビシリーズでは、宝太郎に続く形で、九堂りんね(松本麗世)が仮面ライダーマジェードへ、黒鋼スパナ(藤林泰也)が仮面ライダーヴァルバラドへと変身した。共演者が続々と仮面ライダーになる中でも、加部は「人間としてサポートキャラクターに徹しよう」というスタンスを貫いた。「変身する人=ヒーローでは必ずしもないわけですし、変身しなくても、強い人は世の中にはたくさんいます。むしろ、加治木はその方が面白いなと思いました。変身に対して、こだわりはなかったです」
2023年9月からスタートした「仮面ライダーガッチャード」は、宝太郎や加治木の卒業を描くVシネクストで一旦幕を閉じる。「卒業ということで、サブタイトルにも『GRADUATIONS』とありますが、疑問が残るようなエンディングではないので、本当に終わってしまうのかな? という心境です。撮影もファイナルステージの準備が始まる時期だったので、周りのみんなも『もう終わりだね……』みたいな雰囲気ではなかったです」
ネタバレのため詳細は伏せるが、加治木のシーンについては「2回目、3回目と観てほしいです」とアピール。「Vシネクストでは、みんなの卒業がキレイに描かれているので、まずはそれを観て満足していただけたら嬉しいです。卒業した先で、それぞれどんな人生を歩んでいるのか、考えられる作品だと思います。もしも今後、加治木もしくはバトラー(=鳳桜・カグヤ・クォーツに仕える、加治木に瓜二つの執事)として登場する時があれば、その時はまたよろしくお願いします」(取材・文:編集部・倉本拓弥)
Vシネクスト『仮面ライダーガッチャード GRADUATIONS/ホッパー1のはるやすみ』は2月21日(金)から期間限定上映、Blu-ray&DVDは6月11日(水)発売