吉岡里帆、初の最優秀助演女優賞！能登からリモートでスピーチ「映画のエキストラ出演がきっかけに」
第48回日本アカデミー賞
第48回日本アカデミー賞の授賞式が14日、グランドプリンスホテル新高輪で行われ、吉岡里帆（32）が映画『正体』の演技で最優秀助演女優賞を受賞した。吉岡はこの日、能登復興祈念の舞台「まつとおね」に出演していたため、現地からリモートで受賞スピーチを行った。吉岡にとって同賞の受賞は初となり、「映像というのはその場所、その場所にエネルギーを残していく、そして時代を超えて残していくものだと思っています。そんな一人として少しでも見ていただける方の何かパワーになれるようこれからも精進していきたいと思っています」と意を新たにした。
『正体』は、染井為人の同名小説を映画『青の帰り道』（2018）、『ヴィレッジ』（2023）などで組んできた藤井道人監督と横浜流星主演のコンビで映画化したサスペンス。日本中を震撼させた殺人事件の容疑者として逮捕され死刑判決を受けた主人公・鏑木（横浜）が、姿を変えながら逃走するなかで彼の正体、目的が浮かび上がっていく。吉岡は、東京でフリーライターとして働いていた鏑木と共に暮らし、彼が指名手配犯であることを気づきながら無実を信じる女性・沙耶香を演じた。
吉岡は「本当にびっくりしすぎちゃって……」と驚きを隠せない様子で、「すみません。ちゃんとコメントします。ありがとうございます。とてもうれしいです」と切り出す。
「この作品はわたしにとって人生において、とてもとても重要な作品になりました。というのも、やはり自分がこの世界に入りたいと思ったきっかけというのがエキストラで映画に出させていただいたことで、本当に多くのスタッフの方、そしてキャストの方が力を合わせて撮影をされている映画の現場を見た感動に引き寄せられてこの仕事をしたいと思ったので、今回『正体』のチームが大勢でみんなで受賞できる会という事で全員が心からいい作品を作りたいと思って一致団結したとき、ものすごいパワーを発揮する映画というものに自分も携わっていきたいと思っていますし、観る側としても本当に本当に大事なもので」と撮影を振り返る。
また、舞台のため会場に来られなかったことを残念がりながら、「今日も能登の七尾市というところからご挨拶させていただいているんですけれど、今は正直お茶の間の気持ちになっていまして、大好きな女優さん、俳優さんの方が挨拶されているのを見て勝手に笑顔になってしまったり、ああわたしもその作品に感動したという気持ちになったり、やはり遠く離れていたとしても映像というのはその場所、その場所にエネルギーを残していく、そして時代を超えて残していくものだと思っています。そんな一人として少しでも見ていただける方の何かパワーになれるようこれからも精進していきたいと思っています。会場に行けないのが本当に残念なんですけど、そしてみなさまの座席から高い場所から大きい映像で失礼します。とても感謝しています。藤井組に出会えてわたしは幸せです。本当にありがとうございました」と受賞に感謝を述べた。
現在放送中のTBS日曜劇場「御上先生」の高校教師役も話題の吉岡。2026年放送の「豊臣兄弟！」で大河ドラマ初出演も決定するなど快進撃が続く。日本アカデミー賞では、盲目の元警察官を演じた『見えない目撃者』と、主人公（玉森裕太）のミステリアスな恋人を演じた『パラレルワールド・ラブストーリー』（共に2019）で第43回新人俳優賞を、アニメの新人監督を演じた『ハケンアニメ！』（2022）で第46回優秀主演女優賞を受賞した。
優秀助演女優賞は、吉岡のほか芦田愛菜（『はたらく細胞』）、清原果耶（『碁盤斬り』）、土屋太鳳（『八犬伝』）、山田杏奈（『正体』）が受賞した。（編集部・石井百合子）
