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阪元裕吾監督、『ネムルバカ』で描く新たな女性バディ【インタビュー】

阪元裕吾監督、『ネムルバカ』で漫画原作の映画化に初挑戦!
阪元裕吾監督、『ネムルバカ』で漫画原作の映画化に初挑戦! - (C) 石黒正数・徳間書店/映画『ネムルバカ』製作委員会

 殺し屋女子コンビのモラトリアムな日常を描いた人気アクション映画『ベイビーわるきゅーれ』シリーズで知られる阪元裕吾監督。次回作として選んだのは、石黒正数による人気青春漫画の実写映画化『ネムルバカ』(全国公開中)だ。漫画原作の映画化に初挑戦した阪元監督がインタビューに応じ、本作で描いた新たな女性バディや会話劇について語った。

【画像】阪元監督が描く新たな女性バディ!『ネムルバカ』入巣柚実&鯨井ルカ

 2008年に発売された漫画「ネムルバカ」は、大学の女子寮で一緒に暮らす後輩・入巣柚実(いりす・ゆみ)と先輩・鯨井ルカ(くじらい・るか)の何気ない日常を切り取ったストーリー。映画では、久保史緒里乃木坂46)が入巣を、平祐奈がルカを演じている。

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監督・脚本を務めた阪元裕吾

 シリーズ第3弾『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』(2024)を完成させた阪元監督は、次回作を選択する際「自分の箱の世界から飛び出ない等身大の作品」を一つの基準としていた。「いろんな実写化の話があったのですが、どれも規模が大きかったり、『このキャラクターを実写で再現するのは……』というものが多かったんです。『ナイスデイズ』が壮絶な内容だったので、自分とそんなに乖離しない世界を撮れたらいいなという思いがありました」

 「『ナイスデイズ』が15日間くらいアクションシーンの撮影だったので、今回は(アクションなしが)不安でした。『二人が延々と話しているけど大丈夫か?』みたいな思いは正直めっちゃありました」

 原作漫画を実写化するにあたり、ビジュアルも重要視した阪元監督。特に、情報解禁にあわせて公開された初ビジュアルは、映画の第一印象が決まる重要な判断材料だった。「主役の2人が横並びになっている(漫画の)表紙がしっかり再現できると、原作ファンの方も『ちゃんとした実写化やな』と反応してくださる。最初は、ほぼそこしか見られないといっても過言ではない。そこが大事だと思うんです。2人が入巣とルカにピッタリだったのは、運命の巡り合わせやったと思います」

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入巣&ルカのゆる~い会話も注目 - (C) 石黒正数・徳間書店/映画『ネムルバカ』製作委員会

 『ネムルバカ』の会話も、モラトリアムの終焉を端々に感じさせるムードを目指したという。「台本の読み合わせをたくさんさせていただき、なるべく退廃的なムードが漂うように目指しました。ちゃんと見たらわかると思うんですが、『ベビわる』とは全然違う撮り方をしてますし、あっちにはなかった『男性からの眼差し』と、それへの対応で2人に対比をしていたりいます」と阪元監督は明かした。

 コロナ禍に公開された『ベイビーわるきゅーれ』では、ソファーでだらだら過ごしている殺し屋コンビの日常生活に「おうち時間も悪いものじゃない」とメッセージを込めた阪元監督。『ネムルバカ』では、独特な空気感の中で共同生活する女子大生の姿を通して「ショート動画を8時間見て1日潰しても『別にええんやで』と、みなさんの素敵な日々を肯定できる」作品をつくりあげた。「劇中に“駄サイクル”という言葉(=ルカが考えた造語「ぐるぐる廻り続けるだけで一歩も前進しない駄目なサイクル」という意味)もありますが、そういうものが別に悪いわけではないという作品に、一周回って巡り戻ってこられたことを嬉しく思っています」と笑顔で語っていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

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