黒崎煌代、初主演映画がカンヌ監督週間正式出品 団塚唯我監督『見はらし世代』日本人最年少出品

2023年度後期のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」で俳優デビューを果たした、黒崎煌代(くろさき・こうだい)の初主演映画『見はらし世代』(団塚唯我監督)が、現地時間5月13日から24日にかけて開催される、第78回カンヌ国際映画祭の監督週間に出品されることが発表された。
本作は、再開発が進む東京・渋谷を舞台に、母親の死と残された父親と息子の関係性を描いた作品。「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」にて、短編『遠くへいきたいわ』を監督した団塚唯我のオリジナル脚本による長編デビュー作となる。
主人公・蓮を演じる黒崎は、「ブギウギ」で、趣里が演じたヒロイン鈴子の弟・六郎を演じて本格的に俳優デビュー。アフロ主演の『さよなら ほやマン』(2023)で映画デビューを果たし、日本批評家大賞の新人男優賞を受賞している。
団塚監督は『さよなら ほやマン』にメイキング担当として参加しており、黒崎は、自身のキャリアのスタートにも立ち会っていた監督とのタッグで初主演。「私のキャリアを最初から近くで観ていてくれた団塚監督だからこそ100%の信頼をもって撮影に臨むことができました。映画を好きで本当に良かったです」とコメントを寄せている。
また、蓮の父親役で遠藤憲一、母親の由美子役で井川遥、姉・恵美役で木竜麻生が出演。遠藤は自分が関わってきた中で一番若いという団塚監督を「人間の考えや行動に対する演技指導は、倍以上生きている私が感銘を受けることばかりだ。みずみずしさと繊細さと深さが共存する現場だった」と称賛。井川も、団塚監督の演出によって感情の行方が幾重にも変化していく驚きに触れつつ「監督の若き豊かな才能が世界に広がっていくのが楽しみでなりません」と若き才能の飛躍を願うコメントを寄せている。
「監督週間」は、作家の芸術性や独創性を重視する独立部門で、将来有望な監督たちの登竜門的な存在でもある。過去には大島渚、北野武、黒沢清、河瀬直美、橋口亮輔、西川美和といった名監督たちが、昨年は河合優実主演・山中瑶子監督の『ナミビアの砂漠』が選出されており、団塚監督は日本人最年少での出品となった。
団塚監督、主演の黒崎ほかキャスト陣のコメントは以下の通り。(編集部・入倉功一)
監督・脚本:団塚唯我

初めての長編映画で海外映画祭にも行ったことがない中で、監督週間でお披露目出来ることが決まって本当に嬉しいです!!!!!!!
今、この映画が初主演となる黒崎煌代君と2人で喜びを噛み締めているところです。
黒崎君始め、素晴らしいスタッフ、キャストの皆様と作れたからこそのご褒美だと自信をもって言えます!
カンヌ国際映画祭、楽しみです!
主演:黒崎煌代
感無量です。
カンヌの地に、団塚唯我監督とこの作品と共に立てる事に興奮しています。
私のキャリアを最初から近くで観ていてくれた団塚監督だからこそ100%の信頼をもって撮影に臨むことができました。
映画を好きで本当に良かったです。
『見はらし世代』がフランスをはじめ、世界中の皆さんに観ていただけるのが楽しみです!
遠藤憲一

団塚監督は俺が関わった映画で、今までで一番若い監督だと思う。
私の半分も生きてないから、人生経験も私より少ないはずだが、演技指示はとても鋭くて深い。
人間の考えや行動に対する演技指導は、倍以上生きている私が感銘を受けることばかりだ。
みずみずしさと繊細さと深さが共存する現場だった。
新しい才能に満ち溢れた作品になっているに違いない。
井川遥

団塚監督の演出を受け、感情の行方が幾重にも変化することに何度も驚きを感じていました。監督のピュアで、繊細な鋭い感性に触れ、呼応する時間がまだまだ終わらないで欲しいとすら思えたのでした。
盛夏の撮影、そして半年後、冬編で再び集結しました。10年後を演じるにあたって半年という時間は役を成長させる大切な時間になりました。
演じられたことに心から感謝しています。
監督の若き豊かな才能が世界に広がっていくのが楽しみでなりません。
木竜麻生

団塚監督、団塚組スタッフキャストの皆さん、関わっていただいた皆さん、カンヌ映画祭の監督週間選出、本当におめでとうございます。
この作品のお話をいただいて、準備をして、撮影をして、どの時間も丁寧に、みんなが同じ目線で携わっているのを肌で感じることができて、素敵な時間を共有させてもらいました。
家族という、普遍的だけれど、どの家族にもそれぞれの風景がある存在を、紡いでいく人たちへの愛おしさを感じました。
寛容な心と素直な目線で作品を観ていただけることを願い、届いていくことを楽しみにしています。