坂本龍一が抑圧されたイラン人女性の姿を描く映画で音楽を担当!
第66回ヴェネチア国際映画祭
現在開催中の第66回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門作品のドイツ映画『ウィメン・ウィズアウト・メン』(英題)が現地時間9日に公式上映され、音楽を坂本龍一が務めていることがわかった。
本作は、ニューヨーク在住のイラン出身の映像作家シリン・ネシャトの長編初監督作。1953年に民主政権を転覆したシャーによる独裁政権下のイランで、女性たちがいかに抑圧された生活を送ってきたかを描く人間ドラマで、現代のイランではタブーとされている、娼婦(しょうふ)やヌードシーンも登場する問題作だ。
記者会見でネシャト監督は、坂本に音楽を依頼した理由について、「坂本さんもニューヨークに住んでいるので、以前から知り合いで、いつか一緒に仕事をしたいねと、話していたんです。映画『リトル・ブッダ』など彼の手掛けた音楽は素晴らしく、ぜひこの作品をお願いしたかった。彼の音楽が、イランの物語を世界中の人たちが受け入れてくれるよう導いてくれると思ったんです」と語った。坂本は、映画『ラストエンペラー』でアカデミー賞作曲賞を受賞するなど、外国映画の音楽も多数手掛けている。(取材・文:中山治美)