ロリコンのマスター(田口トモロヲ)が経営する喫茶店でバイトするみゆき
(中村麻美)は、同じマンションに住むミュージシャンの男、ヨシノリ(鈴木一真)
の出すゴミを漁ることだけを、唯一の楽しみにしている娘。
彼のゴミ袋を部屋に持ちかえって、ひとつひとつ丁寧に中身を確認するのだ。彼のゴ
ミを、オブジェのように部屋に飾りつけていくみゆき。 ヨシノリの生活を赤裸々に物語るゴミを知ることから、彼に近づいていくような感覚
は、彼女にとって最高の幸せだ。
実際は階段で彼と会っても目さえ合わせられないみゆきだが、ゴミ袋の中から昔の彼
女(小山田サユリ)からの手紙を見つけたみゆきは、ジェラシーから、ついに行動を開始する
・・・。
男の出したゴミ袋をあさる娘・・・。
普通なら変態オタクか陰湿なストーカーか、は
たまたレディ-スコミックか、となりそうなテーマをPOPでキュートなラブストーリー
に仕立て上げた極上の青春ロマンス作品。
日常生活を淡々と過ごすだけの女の子が、好きな男のものならなんでも愛おしいと思
う気持ち、実際の彼とは言葉を交わすことすらできず、そのゴミから“理想の彼”像を
自分の中で構築していく心理は、同世代の女の子の、特に誰かアイドルの熱烈ファン
になった経験のある女の子なら、彼女の1つ1つの行動も強い共感を呼ぶはず。
また彼女のバイト仲間の京子はみゆきと似たように見え、実は対極なタイプとして登
場し、リアルな現代の象徴的な2大女の子像に迫る。 みゆきがゴミから作り出す部屋のインテリア、ファッションなどにも注目。
また、喫茶店の常連客たちも、奇天烈に見える個性を発揮しながら、実に自然。
リアルな“現代日本人像”が彼らの中にも集約されているようにも見える。
実際にバンド活動もする俳優・鈴木一真が、みゆきの片思いの相手のミュージシャン
役で出演し、ギター演奏も披露。 全編デジタル・ビデオによる撮影。
[シネロケット配給/10月7日より、シネマ下北沢にて【ラブシネマ】Vol.
1作品として、独占ロードショー中]
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