配給:日本ヘラルド映画 シネ・ラ・セット銀座テアトルシネマ他全国にて公開中!
文・構成/今 祥枝
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1 アダム・クーパー
映画のラスト・シーンで25歳になったビリーとして登場する、世界のトップ・ダンサー。1995年から注目を集めロングランとなった、AMPの「白鳥の湖」での見事な飛翔を披露してくれる。ロイヤル・バレエ学校からロイヤル・バレエ団に入り、1994年よりプリンシパルを務める。1997年には「白鳥の湖」でイヴニング・スタンダード賞等を受賞、ブロードウェイ公演ではトニー賞ミュージカル部門最優秀男優賞にノミネートされた。現在はフリーでAMPを中心に活動し、振付家としても活躍している。
2 1ページのシノプシス
アカデミー賞オリジナル脚本賞にノミネートされた本作のシナリオを手掛けたのは、イギリスの俊英リー・ホール。もともとこの映画は、たった1ページのシノプシスをホールがプロデューサーに持ち込んだことから始まった。「厳しい状況下にある炭坑町でバレエ・ダンサーを志す少年」というアイディアは、彼が自分の子供時代のことを書いていたときにインスピレーションを得たという。「少年のイメージが浮ぶと物語はひとりでに出来上がっていった」とホールは語るが、バレエに関する部分は綿密なリサーチに基づいている。
3 イングランド北東部
物語の舞台はイングランド北東部、ダラム州の炭坑町。この場所の設定が映画には重要な役割を果
たしている。実際のロケ地もイングランド北東部で、採掘場のシーンは現役の最後の炭坑イージントンで行われた。ジェイミー・ベルの出身地も、この地域にあるビリンガムという町。
4 『ケス』+『フル・モンティ』+『ブラス!』
脚本家リー・ホールは本作について、『ケス』(苛酷な社会環境のもとに暮らす少年の姿を静かに描いた秀作ドラマ)、『フル・モンティ』(失業した男たちが男性ストリップに挑戦するコメディ)、『ブラス!』(炭坑夫によって結成された実在のブラスバンドを題材にした感動作)を合わせたような作品だと語っている。
5 ケン・ローチ
『ケス』『大地と自由』のケン・ローチ監督は、労働者階級の厳しい現実を捉える社会派の作風で知られるイギリスの名匠の一人。このローチを筆頭に、ビクトル・エリセ、ビル・ダグラスを尊敬しているリー・ホールは、本作で彼らに対するオマージュを随所に捧げている。ちなみに父親役のゲアリー・ルイスは、ローチの『マイ・ネーム・イズ・ジョー』のジャンクス役で高い評価を得ている。
6 1984年のストライキ
戦後の英国史上、重要な事件と位置付けられている1984年の炭坑ストライキ。ビリーの父と兄も、最も熾烈を極めたこの時期の闘争の渦中に身を投じている。警察の機動隊が出動して逮捕者や負傷者が続出するなど、運動はかなり過激だった。
7 トップ・ハット
劇中に登場する映画『トップ・ハット』は、ミュージカル映画の名匠マーク・サンドリッチ監督よる1935年度作品。ミュージカル・スターのフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのおなじみの名コンビが、華麗なダンスを展開する。ほかにも、劇中ではアステアにオマージュを捧げたシーンも多く登場する。撮影監督のブライアン・トゥファーノは、ダンス・シーンの撮影に際して「1930年代のアステアの映画で使われた手法で撮影した」と語っている。
8 ピーター・ダーリング
ビリーの少年らしいパワフルな振り付けを手掛けたのは、スティーヴン・ダルドリーと舞台で組んだことがある振付家ピーター・ダーリング。ユニークでオリジナリティあふれるダンスは、子供たちが踊っている映像を参考にしたり、ジェイミー・ベルの動きを実際によく監察して振りつけたという。
9 400人以上のエキストラ
群集シーンのエキストラは、新聞の募集で集まったロケ地イングランド北東部の地元の人々。地元出身の新しいスター、ジェイミー・ベルを一目見ようという熱心なファンをはじめ、400人以上が撮影に参加した。
10 ロイヤル・バレエ学校
ビリーがオーディションを受ける名門中の名門バレエ・スクール。ロンドンの西部地区のバロンズ・コートにあり、建物は世界の三大バレエ団の一つに数えられているロイヤル・バレエ団の稽古場も兼ねている。入学のためのオーディションも倍率が高く難関であり、またスクールの授業内容も極めてハードなことで有名。
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