まほの[子連れ]ハリウッドへの道37
ハロウィン、セクシー大作戦(?)の巻 |
|||||||||||||||||||
「ロスで迎えた初めてのハロウィン。私は、ハリウッドのアメリカンたちに負けてなるものかとかなり前から気合いを入れて準備していた。 今年の私のテーマは「ザ・小悪魔」ほっほっほっ。 そのために、100ドルもする黒い羽根と頭につける角を購入し、カレンダーに×印をつけて10月31日を心待ちにしていたのよん。 とりあえず、こういうイベントごとはほんとに大好きなもんで当日の予定はいっぱい。 6時からサンタモニカに住む親戚の男の子とトリックオアトリートに参加し、9時からはハリウッドのゲイの仮装パレードにまぎれて出場予定。前の日はあまりの興奮に眠ることすら出来なかったさ。 そして!!! ついにやってきたその夜。フリマで購入したブラックのミニスカドレスに身を包み、おっきな羽根をつけ、ギンギンにメイクをすませていざ出発。 なんか、かっけーぞマホ。いつもと違うぞクールだぞって思ってるあなた!!ふふふ。よくお分かりで。そうよっ。今夜の私はなんていっても、クール! あんど アダルティック! なセクスィー小悪魔。ほら、町を歩けばハリウッドの男たちが私を振り返る。 「オオッ」 「イエーイ」 ハッピーハロウィーンの言葉が身にしみるぜべイベ-。太っ腹にタクシーでサンタモニカにいっちまえ! なんて、いつも乗ってる2ドルのバスに別 れを告げ、ヘイタクスィ-。気分はもう、貧乏ハリウッドガールを逸脱した、ビバリーヒルズ的妄想むすめ。ちっリモでも呼びゃ-よかったぜ。 親戚の男の子は、ミニ・ダースモールに変身していてむちゃくちゃカワイー。 しかもここは、高級住宅街。へいへい、オカシがどっさりいただけそうだぜ。 サンタモニカのトリックオアトリートはどこのおうちもミニお化け屋敷みたいになってるわ、住人みんな仮装してるわ、お菓子はたんまりいただけるわでかなり楽しかった。…のだけどっ!! 私が一つ忘れていたことがあったのでございます。 それは、この10月末日。ロスの夜はとにかく冷え込むってこと。こんな寒空で、薄っぺらいドレス一枚で歩いてりゃあもちろん腹が下る。以前ストリッパーのお話でもしたように、腹だけはほんとに弱いのよ。ぐるぐるぐるぐる。 だからといって、楽しそうにしているミニ・ダースモ-ルをがっかりさせたくないし。でも、腹の痛みはますます加速するばかり。しぬ ー。一軒一軒家をまわって菓子をもらっていながらも心の中では、 「お菓子はイイから厠にいきたい…」 と、世の中をのろっていた。 でも、こんな高級住宅地でそんな行為をしようもんなら、私の親戚の顔に泥を塗ってしまうわ。独りだったら、撃たれてでもトイレに突進していくのに。 我慢の限界に達した私は、みんなに事情を説明して転がるように走り出した。 でも、なれないヒ-ルをはいてたせいで、グッキングッキン走るたびに足首がねじくれる。くうー。いっそこいつも脱ぎ捨てて走りたいぜ。しかも、ちょっとスピードをあげただけで「ホアッ」ときてしまうため、ヨロめき、つまずき私はミニ骸骨やミニキングコングに、激突しながら3秒毎に襲ってくる武者震いと、途方もない腹の痛みに耐えていた。 やっとの思いで、家についてからトイレまでのコトは辛すぎて記憶すら空白になっている。 問題は、そのあとだ。 コトを済ませて、ふっと鏡に移った自分を見て私は愕然とした。今まで、一度も見ていなかった自分の全身像。(我が家の鏡は、上半身しか写 らない)しかも明るいライトの下。 透けていたのである。 私の買ったドレスはスケスケドレスだったのだ。 しかも、飯島愛チャンみたいなティーバックなんかのパンツとかがすけてんならともかく私のはいていたのは日本のスーパーで買ったヘソまで隠れる三枚580円のおばはん下着。 これでようやく、ハリウッドのオヤジどもにヒューヒューいわれた意味が分かったよ。 あまりの衝撃に、今度は胃が痛みだした私だったのでありました。 来週に続く…
|