森田まほ
映画が好き!現場で働きたい!その思いがこうじて単身アメリカ、ハリウッドへ渡り、現場でインターンとして日夜現場を飛び回る日々であったが、ある日アメリカ人の青年と結婚。その後予定外の妊娠をするが、無事出産。現在はグリーンカードを取得すべく待機中。 |
最アメリカではパーティーでのちょっとしたおしゃべりで、「最近どんな本読んだ?」とか、「好きな作家は誰?」って話題が出ることが多々ある。これって、日本ではあんまりでない話題でしょ?
でもこれは、自分が知的かそれとも本も読めないアホかっツー判断が下される重要な瞬間。
私は、初めてこれ聞かれたときちょうど「宝くじにあたると幸せになれるか?」みたいな本読んでて、すげー恥ずかしかった。しかも、その場にいた人たちは私が日本人なのを知ってて、いろんな日本の作家の話をしてくる。
ミスター大江のあの作品はよかっただとか、読んでねー、しらねーっつうのばっかし。ほんとに、日本の面汚しっすね。もう、完璧アホシールぺったん。とりあえず、その場はフンフン知ったかを貫いて切り抜けたけど、そのとき私ほんとに反省しました。名著っツーのは読んどくもんですな。
あんまりくやしーんで、そういう君らはシェークスピアやらの古典を全部読んだんかい?って問い詰めるとあっさり「オーイエー」と言われちまった。ちっ。一体どーして??
それがどうもね、アメリカ人小中高時代に関係があるみたいなのだな。聞くところによると、みんなは小中高時代に難しい本を半端ないほど読まされるらしい。
私の、学校からの課題図書の記憶っつったらせいぜい休み期間中に一、二冊。多分、中学受験していたころが一番読んでたんじゃないかしら。「岩窟王」「海底二万マイル」「ロミオとジュリエット」とか、世界の名作シリーズ読みまくったわな。高校の夏休みなんて遊びほーけてましたわ。
と、だんなに言ってみたらめちゃうらやましがられた。やつの高校は休み期間中50冊読破が毎度だったんだと。 すげえなあー。そら、あんだけなっがい本も余裕で読めるようになるだろうよ。これがあの「オーイエー」の答えだったのね。
そうして読書習慣が体にしみついたアメリカ人はなかなか数多いんだと思う。良質の恋愛小説を読みまくってる女友達は、自然に「いい恋愛をする方法」とか「男を振り向かせる女のしぐさ」とかが頭の中にインプットされてるから、うらやましいことに私みたいな、あっちゃあーって言う経験もないわけよ。
まあ、逆に読みすぎると理想が高くなっちゃうから、ひっどい男ばっかり出てくる恋愛小説もたまには読んで、「ああ、現実の男の人はこんなにやさしいのね」とリフレッシュする必要もあるとは思うけどね。
とにかくとにかく、あの分厚ーいペーパーバックを持っているアメリカ人を見る率あなたもなかなか高いと思いませんか??私の理想は、あれを常にリュックに入れてる人間になれることです。
別に英語じゃなくても、日本語の本でもいいから。この前、ちょっとそれになろうとして本屋さんでアメリカ人友達おすすめの三島さんの「仮面の告白」を買って電車の中で読んでみた。久々に難しい本を見ると、知らない漢字が結構あったりしてなかなか新鮮。しかも予想外のエッチな表現に思わず、ゴクリっと生つばを飲んで、周りをきょろきょろ見渡しちゃいましたわ。こりゃ、私の好きな「ハッピーマニア」(マンガ)もびっくりだ。
というわけで、まあたまには、読書もいいけれどやっぱり私は電車に乗ったらスポーツ新聞。乗る前に買って、おっちゃんたちに負けじとチマチマ折って読んじまう。もっともっと文学に触れなければ。
これからは、育児の合間をぬって、ガンガン本を読もうと思っとります。それも、ちゃんとした本。そして、ボキャブラリーの豊富な、知的な女性になるぞお!!
そういえば、アメリカからきた友達は、電車ん中の男の人たちが読むマンガ雑誌の分厚さに驚いていたな。いや、あれも小中高から立派に育て上げられた漫画力だと思うぞ。
ちなみに、私のマンガ力は主に夏休み中と、テスト期間中に養われたと思いますです。ハイ。
次週に続く
お知らせ:月刊フリックスでまほちゃんが、「好き勝手クロスレビュー」の連載を始めました。ハリウッドのカリスマビデオ店員マイケルのちょっと辛口レビューも要注目!
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