『Shall
We ダンス?』の周防正行監督が、11年ぶりにメガホンを取った本格的な社会派ドラマ。電車で痴漢に間違えられた青年が、“裁判”で自分の無実を訴える姿を、日本の裁判制度の問題点を浮き彫りにしつつ描く。ハリウッド映画『硫黄島からの手紙』に出演し、世界的に注目を集めた加瀬亮が、本作で初主演を果たす。主人公を弁護する弁護士には、瀬戸朝香、役所広司らがふんする。3年もの歳月をかけて“裁判”について取材した監督が、現代の日本における“裁判”の現実を突きつける。
個人的にも興味があったし、全国の殿方なら誰もが見過ごせないチカンが題材の冤罪劇を、周防正行監督が映画化しましたね。『Shall We ダンス?』の周防正行監督って、その『Shall We ダンス?』以来、11年ぶりの監督作になるわけですが、さすが緻密に取材を重ねる周防流だけあって、3年ですか? 見応えある裁判ドラマになってはいます。ただ、裁判はホリエモンの騒動にしろなんにしろ、ある程度想定されたストーリーがあって、その通りにコトが運んでいく危険性は専門家じゃなくても周知の事実で、ハッキリ言うと裁判になってからはもはや手遅れよ。だったら未曾有の事件に巻き込まれないための、具体的な方策だけを真剣に考えてみたいですが。
鼻からオリジナルには劣るだろうと踏んだ筆者の注目は、マット・デイモンVS.マーク・ウォルバーグの、ハリウッド2大猿男の競演! この2人、『オーシャンズ11』に出演予定だったマークが『PLANET OF THE APES 猿の惑星』の主演を選んだため、『~11』に仲間入りしたのがマットという因縁の間柄。で、同じスクリーンで冷静に観ると、マットの方が猿度高し。しかも今までのマットにはない極悪猿ってのがいいですな。だがこの争いに、“狼”が乱入。そう、ジャック・ニコルソンだ。自然の摂理通り猿よりも、ましてディカプリオより狼の方が強力で、本作品では好き放題暴れまくり。この調子じゃ、ディカプリオのオスカー受賞の道はまだ遠い?