吉田竜夫原作の名作アニメ「マッハGoGoGo」を映画『マトリックス』シリーズのアンディ、ラリー・ウォシャウスキー兄弟が実写化した映画『スピード・レーサー』が7月5日に公開されます。極彩色の未体験映像が織り成すカーレースと人間のドラマは、映画史にまた新しい一ページを作り上げました。公開まではちょっと早いですが、出演者にインタビューをしたときの印象と、『スピード・レーサー』の世界観をクローズアップします。
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スピード・レーサーは、同じレーサーで亡くなった兄の影を追いかけて生きています。ターンの仕方に始まり、レースにまつわるすべてのことを教えてくれた兄のレックス・レーサーの後をたどってレーサーをしているようなもの。また、彼はWRL(ワールド・レーシング・リーグ)の中で唯一プライベート・チームである、父親のチームレーサー・モーターズに所属しています。
スピードを演じるエミール・ハーシュは今年23歳になったばかりの若手俳優。俳優のキャリアは12歳のころから始まり、テレビドラマ「ER
緊急救命室」など、テレビを中心に活躍していましたが、青春映画『ロード・オブ・ドッグタウン』で注目を浴び始めます。やがてショーン・ペンの目に止まり、アカデミー賞にもノミネートされた映画『イントゥ・ザ・ワイルド』では実在した人物を10キロ以上減量し鬼気迫る演技を見せ、実力派であることも証明しました。
実はエミール、今まで3回も日本へ来たことがあるそうです。日本は大好きだそうで、特に渋谷がお気に入り。うどんやトロが大好物。皇居の風景も好きだとか。オフのときは本当に普通の若者なので、渋谷で知らないウチにすれ違った人がいるかもしれませんね。
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| まさにヒーロー! スピードを演じるエミール・ハーシュ (C)
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| レース中のスピードは真剣そのもの! この表情を見よ! (C)
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トリクシーはスピードの幼なじみでガールフレンド。自らも一流のドライバーであるトリクシーはレースでもプライベートでもスピードの頼もしいパートナー。自身で操縦するヘリコプターからスピードに戦略の指示を送ることも。
クリスティナ・リッチの芸歴も幼いころからスタートします。一番人々の印象に残っているのは11歳のときに出演した映画『アダムス・ファミリー』のウェンズデー役ではないでしょうか。やがてヴィンセント・ギャロが監督・主演を務めた映画『バッファロー'66』で誘拐犯を好きになってしまうという難役に挑み圧倒的な存在感を世に示しました。自殺未遂や拒食症などを経験している彼女はそのもろさも一つの魅力になっていることは間違いありません。
クリスティナは一見とても変わった女性に見えます。その演じてきた役柄もそう感じるのですが、実際に彼女と会ってみての印象も顔の面積に対して大き過ぎるぐらいの目と、きゃしゃな体がとても不思議な雰囲気を醸しだしています。実際のクリスティナは自分ではごく普通のどこにでもいる女の子だといいます。そして、一途にスピードを思い続けるトリクシーと自分は、いままで演じたキャラクタの中でも一番自分に近いそうです。
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| ファッションもばっちり決まっているトリクシーを演じるクリスティナ・リッチ (C) 2008
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| 「この役は自分に一番近い役」と語るクリティナ (C) 2008 Warner Bros.Ent.
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常にマスク姿で、レース界では謎に満ちた存在のレーサーX。一体善なのか悪なのか? そのつかみどころのないキャラクターも魅力的です。正体を隠したまま、秘密裏にレース界の不正を暴き出そうともしている彼の行動はやっぱり善なのか? その正体は謎のまま物語は進みます。
マシュー・フォックスのデビューは意外と遅く25歳のとき。何といっても彼を有名にしたのは謎が謎をよぶ人気テレビドラマ「LOST」シリーズのジャック医師役。正義感に満ちた正統派リーダーとして描かれた彼の役柄は、ソーヤー役のジョシュ・ホロウェイと女性の人気を二分しています。さぞかしモテモテライフを送っているのでは……と思いきや、実は奥さんと子どもがいて家庭を大事にするとても子煩悩なパパなのです。
インタビューで彼の愛する娘と息子の話になると、途端に顔が緩みだし、二人とも1年前からこの作品を心待ちにしていたことを教えてくれました。今ではすっかりアニメにも詳しくなったようです。ロサンゼルスのプレミア上映でこの作品を観たあと、親子で大盛り上がりする姿が目に浮かびます。カッコイイレーサーXの雄姿に、パパの株が上がることはまず間違いないでしょう。
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| なぞめいた役が多いマシュー・フォックス今回もはまり役です (C) 2008 Warner
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| さびしげな後ろ姿なのです…… (C) 2008 Warner Bros.Ent.
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レーサー家の太陽のような存在です。おいしいパンケーキを作り、レーサー家の誰もが大好物。愛情豊かで家族のことを知り尽くしています。時には気分屋のパパをたしなめ、そして息子の良き理解者でもあります。
1970年にデビューして以来しばらくは目立たない役者だったスーザン・サランドン。しかし、映画『ロッキー・ホラー・ショー』に出演してからは、注目を浴び、その後は大女優街道をまっしぐら。映画『デッドマン・ウォーキング』でアカデミー賞主演女優賞を受賞してからは、その地位は揺るがないものになりました。ちなみにこの『デッドマン・ウォーキング』の監督であるティム・ロビンスとの間には二人の子どもがいます。前夫のクリス・サランドンとの間にも女優になった娘がいて、私生活でも良き母親です。
今年62歳になるスーザン。でも外見はスマートでお肌もスベスベで、とても60歳を過ぎているようには見えません。劇中ではスピードのよき理解者です。彼はなんでも母親に話をします。そんなスーザンが教えてくれたティーンエイジャーの子どもから信頼を得る方法は、彼らの話に耳を傾けることだそうです。決して秘密を聞き出すわけでもないし、自分も秘密をさらけ出すわけでもないけど、そうすることで子どもたちはいろいろなことを話してくれると彼女の経験に基づいたアドバイスをくれました。
さて、こんなに魅力的なキャラクターがそろっている『スピード・レーサー』は、映像の斬新さと美しさはもちろんですが、人間ドラマがとても丁寧に描かれています。スピードをとりまく家族はもちろんですが、レーサーXとスピードのドラマにぜひ注目してください。 | |
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| 最近は母親役が多いスーザン、地に足のついた彼女には良き母親役はぴったりです (C)
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| やさしいお母さんなのです…… (C) 2008 Warner Bros.Ent.
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文・構成:シネマトゥデイ編集部 |
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