映画『ハプニング』特集第2弾 ~監督・キャストが語る、ハプニング!~ 2008年7月16日 謎のベールに包まれたディザスター・サスペンス映画『ハプニング』について、M・ナイト・シャマラン監督をはじめ、主演のマーク・ウォールバーグ、ズーイー・デシャネル、ジョン・レグイザモが内容について明かしてくれた。 この映画は、自然に対してわたしたちを謙虚にさせる要素を持っている。またこの作品を通して、人間と自然とのかかわり合いについて今まで以上に考えることになるんじゃないかな? 鑑賞中、観客たちは登場人物たちに共感し、巻き起こる出来事に不安になったり、感傷的にもなったりするだろう。この映画でわたしは終わりのない不安を描いたつもりだ。例えば、アルフレッド・ヒッチコック監督の映画『鳥』を思い出してほしい。あの作品の中では、なぜ人が鳥に襲われたのか、なぜ襲うのをやめたのかという理由や説明は一切ない。そもそも人間は自然を支配することも操作することもできないんだよ。 M・ナイト・シャマラン監督は、ハリウッドでユニークな視点を持つ数少ない監督の一人だ。ヒッチコック監督に影響されているが、彼の製作の手法や脚本の執筆は、単に映像にこだわる監督とは一線を画しているよね。脚本を渡されたときには驚いたよ! 撮影に入ったらもっと驚かされたけど(笑)。脚本は撮影前に100回くらいは読んでいたのにもかかわらず、シャマラン監督の撮影方法には心底驚かされたし、とにかく恐怖を感じるシーンの連続だったよ。本作の題材は世界レベルで問題になっているある事柄さ。その問題に関してある程度の知識は持っていたけど、映画に必要な情報はすべてシャマラン監督から提供してもらったんだ。 撮影前には何度もリハーサルを重ねて、そこからどんどんキャラクターの背景や関係性を掘り下げていったわ。だから本番で即興的な演技はあまりなかったわね。そこには完ぺきな脚本があったから。撮影中挑戦的だったのは、風景を主体にして撮られた映像中心のこの作品の中で、いかに言葉なしに恐怖や絶望を伝え、演じるかということだったわ。共演のマークとはいい関係を築けたわ。彼はインテリだし、演技も自然体なの。それにすごくプロフェッショナル! 今回のテーマはすごく身近で恐怖感あふれるものよね。世界レベルの問題なのに、まだまだ関心の薄い人が多いわ。ある意味警告でもあるわね。 おれはとあるテレビ番組で監督に挑戦したことがあった。それ以来、監督というものに対して見方が変わったよ。特に才能のある監督に対しては尊敬の念を抱いてしまうほどにさ。中でもシャマラン監督は天才的だと思う。スタッフ全員を刺激し、さらに指揮までとってるんだ。その上、おれたち俳優の芝居の良し悪しをきっちりと見抜いて最高のものを追求する。本作でおれは数学教師を演じているんだが、昔大学で微分法を教えていた時期があった。もちろん誰も信じてくれないけど(笑)。本作でシャマラン監督は観客たちを暗黒の世界に誘ってくれるが、独特のユーモアのセンスも健在で、ハラハラドキドキの一級作品に仕上がっているよ! ADVERTISEMENT