『007/慰めの報酬』特集 カミーユの部屋
ボンド映画といえば、ボンドと行動を共にする美女“ボンドガール”も毎作の注目の的だが、映画『薬指の標本』『ヒットマン』の新星オルガ・キュリレンコが演じる今回のボンドガール、カミーユは一味違う! 家族を殺され、たった一人で生きてきた孤独な女カミーユは、似たような傷を負ったボンドに惹(ひ)かれるものの、その後の展開が今までのボンドガールのようにはいかず……。そんな彼女の魅力を詳しく掘り下げてみましょう。
ボンドガールといえば、敵ながらもボンドの魅力に屈して寝返ったり、反目したりしながらも共同で任務を遂行するうちにボンドに惹(ひ)かれていくのがお決まりのパターン。しかし、『007/慰めの報酬』のボンドガール、カミーユは、ボンドに従属することなく、自分の意思で目的を果たそうとする。彼女の目的は殺された家族の復讐(ふくしゅう)のみ! 自分の目的を明確に知っていて、断固たる決心を抱いて行動する彼女は、ボンド以上にストイックなキャラクターだ。
カミーユがこれまでのボンドガールと決定的に違うポイントは、ボンドとの男女の関係について。カミーユを演じるオルガ自身も「これまでのボンドガールと同じ(路線)なら、出演しなかったかもしれない」と語っているほど、男性としてのボンドに依存しない新しいボンドガール像を打ち立てたのだ。ボンドとのベッドインはいかに!? 魂レベルでつながっていくカミーユこそ、新時代のボンド映画にふさわしいヒロインだ。
第20作映画『007/ダイ・アナザー・デイ』でハル・ベリーが演じたジンクスのように、シリーズを振り返れば、激しい戦闘に身を投じることができる格闘派なボンドガールもいたが、戦術に長け、危機を瞬間的に察知できるカミーユもまた、強いボンドガール像を継承する女性の一人。そのうえ、目的達成のためなら女性の武器を使うこともいとわず、勝気でしたたかな性格もシリーズ屈指の強さ。その超然とした存在感に誰もが圧倒されるはず。
『007/慰めの報酬』のポスタービジュアルも斬新! ボンドに従属するように描かれてきたボンドガールとは違い、カミーユがボンドと同等の扱いで描かれ、互いに正反対の方向に視線を向けている。これは復讐(ふくしゅう)のためだけに生きてきたカミーユの強烈な意思表示の表れとも解釈可能で、ボンドと同レベルでストーリーを引っ張る役割を担っていることの象徴だろう。ボンドとは目指す相手は違っても、目的は同じ。そんなカミーユの活躍に期待!