ミュージカルの映画化で、ミュージカルファン納得の映画に仕上がっている作品は、歌唱シーンを夢、または妄想として描いた作品か、低予算で作られた作品が多い。それはなぜか? 名作ミュージカルを豪華キャストで映画化した最新作『レ・ミゼラブル』の公開を前に、近代ミュージカル映画の賛否に迫った。 |
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史上初の音声が付いた映画、いわゆるトーキーは、1927年に全米公開された『ジャズ・シンガー』というミュージカル映画だった。以降、1930年代から1950年代にかけてはジュディ・ガーランドやジーン・ケリーといったスターが活躍し、『オズの魔法使』『雨に唄えば』といった名作ミュージカル映画が続々と誕生。その勢いは1960年代に入っても衰えることなく、『ウエスト・サイド物語』『サウンド・オブ・ミュージック』『マイ・フェア・レディ』とブロードウェイのミュージカルも続々と映画化されていった。
しかし、1960年代も終わりに近付くと、ブロードウェイの低調などの影響でミュージカル映画はすっかり衰退。ヒットする確証のないジャンルとして、煙たがれるようになり、およそ30年間も表舞台から姿を消すことになる。その流れを変える原動力となったのは、1991年に全米公開された『美女と野獣』をはじめとするディズニーのアニメーション映画。そして、レニー・ゼルウィガー、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、リチャード・ギアといった豪華キャストを配して制作され、2003年に全米公開された映画『シカゴ』が、アカデミー賞で12部門にノミネートされ、6部門で受賞するという快挙を達成。ミュージカル映画の可能性を確固たるものとし、現在まで続くミュージカル映画ブームに火を付けた。 |
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史上初のトーキーとされる映画『ジャズ・シンガー』で主演を務めたアル・ジョンソン
Hulton Archive / Getty Images |
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『オズの魔法使』のワンシーン
Getty Images |
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文・構成:シネマトゥデイ編集部 島村幸恵 |
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