イケメン過ぎる新生ターザンは、北欧の至宝!
イケメン発掘調査隊
『ターザン:REBORN』アレキサンダー・スカルスガルド【第101回:イケメン調査隊】
インタビュー INTERVIEW
Q:ターザンを演じるに当たって、どんな肉体改造をしたのでしょう?
撮影に入る前、まず4か月間トレーニングをしながら、たくさん食事を摂ったんだ。たとえば重量上げをしながら、肉やポテトを食べたり。撮影が近づいてきたら、脂肪を落とすために食べるものも変えてね。それまでは体を大きくしようと筋肉をつけてきたけど、ボディビルダーのような体に見えてはいけないし、ジャングルの中で戦うときには動物のようにしなやかに動けなくちゃいけない。柔軟性も必要だから、運動のメニューにヨガやピラティスを取り入れたんだ。
Q:ターザンらしく見せるために、何か工夫をしましたか?
今回のターザンは、冒頭では英国貴族で、その時はわからないけれど、ジャングルに入ってシャツを脱いだ瞬間、体じゅうの至るところに傷あとがあるのがわかる。それを見ると、ターザンがジャングルで生まれ育ち、どんな目に遭い、それがどれほど過酷なものだったか……、傷あとが彼の人生の縮図のように読み取ることができたらいいなと思ったよ。それで、毎回メイクに2時間ほどかけて、顔や胸などあちこちに傷あとをつけたんだ。それも動物たちにやられたものだから、きれいなあとじゃない。ひどいものばかりだよ。
Q:動物たちに育てられたターザンの動物的な動き方や、彼らとの接し方など、どうやってマスターしたのですか?
確かに外見以上に、ターザンの内面は重要なことだったんだ。それで撮影前に、チンパンジー、ゴリラなど野生動物のドキュメンタリーを大量に見て、どういう風に関わり合うのか、どういう社会的な構造になっているか、コミュニケーションの方法とかそういうものを学び取って活用するようにしたんだ。また、ターザンには人間的な部分と野獣的な部分の二面性がある。英国貴族のグレイストーク卿からターザンに戻るまでの心理的状況もすごく研究して演じたよ。
Q:とても美しく壮大に見えるジャングルですが、全てセットで撮影しているそうですね。
そう、俳優たちは全員イギリスで撮影だったんだ(笑)。今は使われていない飛行場にジャングルのセットを作りあげて。川は流れているし、アフリカから本物の植物を持ち込んで、実際にアフリカのジャングルにいるような感じだったよ。サバンナも作られていたから、自然の中にいるような気分で演じることができたんだ。そして、俳優の部分の撮影が終わってから、スタッフがアフリカのガボンで美しい風景や背景を全部撮って、それを合成しているんだよ。
Q:劇中、ライオンとじゃれ合うシーンもありますが、それもCG?
ドキュメンタリーを見て彼らの行動を研究するのは、とっても大事なことだった。撮影前にカリフォルニアの自然保護地区でライオンやヒョウ、チータを観察に行ったり、またイギリスのケントでゴリラと一緒に過ごしたりしたことも、動物とのシーンを演じるのに、とても役立ったんだ。
Q:ところで、あなた自身はターザンに魅力を感じますか?
もちろんだよ(笑)。実をいうと、父(ステラン・スカルスガルド)のヒーローがターザンだったんだ。それで、子どもの頃に、ジョニー・ワイズミュラー版のターザン映画をずいぶん見せられて、おかげで僕もすっかり彼の虜。とてもカッコいいと思っていたんだ。今、アメコミやミュータントなどいろいろなヒーローたちが次々と登場しているけれど、ターザンは自分のこぶしと頭を使って、超人的な働きをする最初のヒーローだと思うよ。
Q:今作で登場するターザンは、これまで描かれてきた人物と異なりますね。
ターザンは、ロンドンにいてもどこかなじめない。ジャングルの中にいて、自分を育ててくれたゴリラの母親や兄弟もいるけれど、そこでもアウトサイダー。いつも自分は誰なのかというアイデンティティーに葛藤し、自分自身はどこに属するのかという自分探しの物語なんだ。
Q:そんなターザンに共感する部分はありますか?
僕自身も、ストックホルムで生まれて育ったけれど、ここ12年はアメリカで暮らしているので、二つの国で揺れているようなところはあるよ。母国に戻っても、ストックホルムはもう家ではないような気がするし。でもアメリカというのは、本当の意味での自分の故郷ではない。何か中途半端な感じなんだ。
一問一答 PRIVATE
Q:子役として8歳で演技をスタートしていますが、そのきっかけは?
8歳のとき、父が出演していた映画の監督がうちに遊びに来て「どこかに子役がいないかなー、男の子を探しているんだけど」と言ったんだよ。それで、父がワインをぐひぐび飲みながら「ちょうどいいのがいるよ、アレックス出るか?」って言って。それが始まり(笑)。
Q:本格的に俳優を目指したのはいつですか?
13歳まで、子役としていろいろやっていたけれど、その後、14歳からはなるべく俳優業は避けていたんだ……。俳優ではなくて、何か違うものを探そうともがいていてね。でも、結局見つからなかった。それで考えてみたら、子供の頃、演技をすごく楽しんでいた自分がいたことを思い出して。それで、21歳のときに演技を学ぶために、ニューヨークに行かせてもらって。そこからは演じることが大好きになって、今でも俳優業は続いてる。
Q:好きな日本映画は?
映画『七人の侍』、それと映画『用心棒』にも夢中になった。たった一人で、敵に立ち向かう姿がカッコ良くて。少年時代の僕にとってはタフな三船敏郎はヒーローだったんだ。
Q:好きな女性のタイプは? たとえばジェーンのような女性はどうですか?
ジェーンもそうだけど、演じているマーゴット・ロビーもパーフェクトな女性だと思う。面白いし、頭がいいし、自立しているし、自信を持っている。だけど、可愛さと優しさもある。そういう女性ってステキだと思う。でも、僕は面白くて、自立しているという女性に惹(ひ)かれるかな。
取材・文:前田かおり 写真:奥山智明
映画『ターザン:REBORN』は7月30日より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか2D / 3D全国公開