庵野秀明、エヴァからゴジラへ創造の裏側3~シン・ゴジラの世界を追求した美術の裏側(2/2)
『シン・ゴジラ』レア資料公開!
■全て構想通り!庵野総監督、脅威的な頭脳
さまざまなアングルから撮影を行った庵野総監督。予定通りのカット数をこなすため、壁を取り外したり、低い位置から撮れるよう天井を足すなど、セットデザインにはフレキシビリティーも求められた。
「セットは壁をバラしてカメラを置けるようになっていますが、バラす時間は15分、もとに戻すのは20分でやってほしいと。想定しているカット数をこなすため、絶対にそれ以内でやってくれとのことでした。時間を図りながら、バラしや組み立ての練習をしたのは初めての経験(笑)。そこまでして撮った素材がどれだけ使われているのかと思ったら、ほとんどが完成した映画で使われていたんです。庵野さんの頭の中で、すべて構想ができていたと思うと恐ろしいですね(笑)」(林田)
シーン数は約350。3時間を超えてもおかしくないボリュームを2時間に集約した『シン・ゴジラ』。現場で庵野総監督につきっきりでいてもなお、完成した作品を観た時は驚きの連続だったという。
「ここまで多くの情報量が詰め込まれた作品は、これまで観たことないですね。この歳になって、経験したことのないような現場に携わる機会はそうないので、そういう意味でもこの作品に関わることができて良かったと思います。一度で咀しゃくするのは難しいかもしれません。何度観ても発見がたくさんあるし、それを紐解いてゆくのもこの映画の楽しみ方ではないでしょうか」(林田)
映画『シン・ゴジラ』は7月29日より全国公開