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人を信じるとは?映画『怒り』オールスターキャストが激白【第2回】

怒り

 愛した人は、殺人犯なのか? 現場に「怒」の血文字が残された夫婦殺人事件の真相と、前歴不詳の3人の男と出会った人々がその正体をめぐり、疑念と信頼のはざまで揺れるさまを描く『怒り』。渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、宮崎あおい、妻夫木聡という本作に集結した豪華俳優陣にとって人を信じるとは? メインキャストの7人がそれぞれの思いを語った。

渡辺謙

お互いの「アクション」が不可欠 渡辺謙

 信じるという度合いまでいくには、人間関係の相当な積み重ねが必要じゃないですか? 信じるためのお互いの「アクション」みたいなものが不可欠。そういう積み重ねを経ても「やっぱり信じられない」という気持ちを持ったときは、自分とは違う心を持っているのか、それとも裏切られたのか、いろいろ疑ってしまうわけですが、まずこのプロセスがないと、信じる、信じない、を語る次元にすら達していないと思います。

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森山未來

信じるという言葉はあまり使わない 森山未來

 相手に対して「信じる」ということを投げかけるよりも、まず自分の中にそれを置いて、初めて相手と共有できる感覚というイメージです。相手に対して自分を“開く”と、それが信じるということになるというか。ただ、僕自身は信じるという言葉はあまり使わないですね。重ねてきた時間とか、引っかかってきたものが、その二人のチャンク(情報のまとまり)になるだけなので、そういう言葉で関係性を片付けたくないです。

松山ケンイチ

自分をさらけ出せたとき 松山ケンイチ

 役者は自分の芝居を信じないとカメラの前に立てない。でも、常に“信じる”と“疑う”の間で揺れています。若いときは無理やり信じようとしていたけど、今は自分の気持ちをシンプルに捉えるようになった気がしています。他人を信じるという面では、僕は長い時間をかけないと信用できないんです。どうしても「自分をさらけ出したくない」と思ってしまう。自分のことを出せたなと思ったときに、相手への信頼を感じますね。

綾野剛
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「信用」と「信頼」 綾野剛

 最初から裏切られることを考えるくらいなら、人を信じないほうがいいと思います。僕は誰に対しても、その人のことを知ろうと努力しますし、来る者は拒まず、去る者は追わず、できるだけ受け入れたいと思っています。もし裏切られたとしても自分の責任として受け止めます。「信用」と「信頼」という言葉がありますが、「僕はあなたを信用します」という言葉は、疑っているのと変わらないです。

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広瀬すず

わたしは常に人を疑っているタイプ 広瀬すず

 わたし自身は常に人を疑っているタイプ。全てをさらけ出して信用しても、幸せだなと思う瞬間もあれば、心をかき乱される瞬間もあるし、時には残酷な瞬間もあると思うんです。「信じる」って言葉にすると、簡単ですが、そんなに簡単なことではないですよね。普通に会話しているだけでは信用することも、されることも難しいので、いろいろな「努力」が必要なのかもしれません。この映画を観て、「人を信じるってどういうことなんだろう」とあらためて考えてしまいました。

宮崎あおい
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信用するときは直感 宮崎あおい

 わたしが人を信用するときは「直感」ですね。理由なんてありません。ただ、経験を積み重ねるごとに、どうしても慎重にはなっていきます。もちろん、人を信じたいという気持ちはあるのですが、裏切られることも確実にあって、全てがうまくいくとは限らない、それが人生だと思っています。そろそろ無駄に傷つきたくない年齢になってきたので、人を裏切ることも、裏切られることもなく、平和に生活していきたいと思っています(笑)。

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妻夫木聡

無償の愛に近いかも 妻夫木聡

 自分の全てをさらけ出さないと、人になかなか信じてはもらえません。最終的には、相手だったり、物事だったりをこちらから好きになるしかないですよね。無償の愛に近いかもしれませんが、今回の映画でいえば李監督。この先、何があっても信じてついていくしかない、と思わせる魅力がある。李監督も自分のことを信頼してくれていると、どこかで感じているからかもしれませんが、100%身を委ねられる監督です。

≫「怒り」とは何か 映画『怒り』オールスターキャストが激白【第1回】

取材・文:坂田正樹、斉藤由紀子 写真:高野広美

映画『怒り』は9月17日より全国公開

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