こいつら一体何者？世界を救うスーパーヴィラン『スーサイド・スクワッド』！（2/2）
今週のクローズアップ
■実力ナンバーワン？エル・ディアブロ
本名はチャト・サンタナ。肉体に刻まれたタトゥーを通じて炎を操る。本来は「悪魔」を意味する言葉で、DCユニバースには同名のキャラクターが複数存在しており、チャトは3代目のディアブロ。元ギャングで、特殊能力という意味ではチーム中ナンバーワンの力を持っているといっても過言ではないが、能力が原因で起きた悲劇をきっかけに暴力から遠ざかることを望んでいる。
エル・ディアブロを演じるのは、メキシコ系アメリカ人俳優のジェイ・ヘルナンデス。聞きなれない名前に思えるが、拷問ホラー『ホステル』で大変な目に遭う主人公といえば、思い出す映画ファンも多いはず。すさまじいタトゥーはもちろんメイクで、スタッフに「もっとたくさんつけた方がいい」と提案していたら、日々のメイクに4時間半かかるようになってしまい大変後悔したという……。
■下品なブーメラン男！キャプテン・ブーメラン
文字通り特殊なブーメランを自在に操り、DCコミックスでは「ザ・フラッシュ」の代表的な悪役として知られている。本名はジョージ・“ディガー”・ハークネス。ブーメランの腕前は確かだが、性格は下品で口も悪い。悪役たちの中にあっても、突出して自分のことしか考えない好感度ゼロキャラクター。
演じるのは、当初はデッドショットとも報じられていた、ブーメランと同じオーストラリア出身のジェイ・コートニー。実写版ブーメランとしては、やはり「ARROW／アロー」にニック・E・タラベイ演じるブーメランが登場しているが、「自分のキャラクターがテレビ番組とかに出ているのは知っているけど、僕は何も見ていないんだ。でも、そのどれとも似ていないキャラだと思う」とのこと。『ダイ・ハード/ラスト・デイ』『ターミネーター：新起動／ジェニシス』ではヒーローを演じたもののイマイチな評価だったジェイだが、悪役で開花するか。
■日本代表の悪役！カタナ
本名タツ・ヤマシロ（山城タツ）。日の丸の仮面を着け、殺した者の魂を吸う妖刀ソウルテーカーを操る。夫と死に別れた過去があり、原作ではバットマンが結成したヒーローチーム「アウトサイダーズ」の創設メンバーでもある。コミックへの初登場は1983年。本来はヒーローだったのだが、映画では悪役チームをまとめるリック・フラッグの右腕と、手に余る犯罪者たちの監視役も兼ねて参加する。
演じるのは日本人の両親を持つ日系アメリカ人女優の福原かれん。空手を得意とする彼女のアクションにも注目。原作では黒いキャットスーツに甲冑というかなりエキセントリックなスタイルだが、映画では、暴走族の特攻服をモチーフにした衣装へと変更された。腕章が千人針だったり、背中にカタカナで「ソウルテーカー」と刺繍されていたりと芸が細かい。米ドラマ「ARROW／アロー」のシーズン3にも登場。こちらのカタナは、『ウルヴァリン:SAMURAI』でハリウッドデビューを果たした日本人女優・福島リラが演じている。
■敵か味方か？驚異の魔術師！エンチャントレス
強力な魔法を使う“魔女”で、善と悪の両方の性質を持っている。物質に命を与えたり、瞬間移動ができたり相手を幻術で魅了したりと、反則ともいえる能力を駆使する。コミックでの初登場は1966年。マーベルコミックスにも同じ名前のキャラがいるので少しややこしい。
露出度の高い衣装に目がいきがちだが、映画でもその能力は驚異。長らく封印されていたが、考古学者のジューン・ムーン博士にとりつき、ある方法で彼女の弱みを握ったアマンダ・ウォーラーに利用される。御年6313歳の彼女が素直に言うことをきくわけもなく、大波乱のきっかけになる？ 演じるのはリュック・ベッソン監督最新作『ヴァレリアン・アンド・ザ・シティ・オブ・ア・サウザンド・プラネッツ（原題） / Valerian and the City of a Thousand Planets』のヒロインにも抜擢されたカーラ・デルヴィーニュ。
■悪役集団のまとめ役！リック・フラッグ大佐
本名リチャード・フラッグ。悪役軍団のチームリーダーとなる人物。コミック初登場は1959年で、原作では父親もスーサイド・スクワッドのリーダーを務めている。
当初はトム・ハーディが演じる予定だったが、『レヴェナント：蘇えりし者』の撮影延期を受けて降板し、新生ロボコップを演じたジョエル・キナマンが抜擢された。アマンダの忠実な部下であり、エンチャントレスことジューン・ムーン博士の恋人でもある。当然ながらチームメンバーとの仲は悪い。「チームの連中に、やるべき任務を伝える役目だ。それは、猫と口論するようなものだよ。最高に素直な連中というわけじゃないからね。彼らは、『なに？ なに？』って感じで、僕を見ていて、常に激突するってわけさ」（ジョエル）。
■恐怖のワニ男！キラー・クロック
突然変異によってワニのような皮膚を持って生まれた男で、本名ウェイロン・ジョーンズ。コミックには1983年に初登場した。「バットマン」を代表する悪役としてテレビゲームでも印象的なボスキャラとして登場するが、映画は今回が初登場。その皮膚は銃弾をはね返す強度を誇り、下水道を根城としている。演じるのは、米ドラマ「LOST」のミスター・エコー役で知られるアドウェール・アキノエ＝アグバエ。ワニのような見た目は、CGではなく5時間もかかる特殊メイクで再現されている。さらに、巨大な体を再現するため約18キロもの装備を身に着けて撮影に挑まなくてはならなかった。
■究極の縄師！スリップノット
本名クリストファー・ワイス。縄を駆使する暗殺者で、自分で調合した化学物質を利用したロープを使用して、どんなところにでものぼることが可能。映画で演じるのは『ウインドトーカーズ』でニコラス・ケイジの相手役となるナバホ族の通信兵を演じたカナダ出身のアダム・ビーチ。いわく「ロープと結婚したようなイカれたやつ」だが、劇中ではキャプテン・ブーメランにそそのかされエラい目に……。
■実は最凶の悪役？アマンダ・ウォーラー
一癖も二癖もある悪役たちを集めてチームを作るという、「毒をもって毒を制する」を実行に移す張本人。夫と子供を失った過去を持ち、他者に対して全く容赦のない性格から「ウォール」の愛称で呼ばれる。超人を収容するベル・レーヴ刑務所の所長。指揮官としてスーサイド・スクワッドのメンバーを文字通り使い捨て同然に利用する。演じるのはヴィオラ・デイヴィス。見た目はこの映画の誰よりも普通だが、どの悪役よりも冷徹で感情を表に出すことはほとんどない。