2.5次元のカリスマ、漫画原作のラブコメで癒やしの肉食系男子に!
イケメン発掘調査隊
『アヤメくんののんびり肉食日誌』黒羽麻璃央【第115回:イケメン調査隊】
インタビュー INTERVIEW
Q:『アヤメくんののんびり肉食日誌』の出演が決まった感想は?
映画に主演させていただけるのは限られた人だと思うので、そのチャンスをいただけたことが純粋にうれしかったです。それで恋愛モノだよ、と言われて内心ガッツポーズでした(笑)。やりたかったんです! しかも主演ってことはきっと報われる恋を演じられるのではないかと思って、やった! と。男子は皆そう思うんじゃないですか。相手役は足立梨花さんと言われ、僕でいいんですか!? と緊張しまくってもいました。責任を感じ、絶対に成功させなきゃいけないと。
Q:演じる主人公の菖蒲瞬(アヤメ・シュン)は帰国子女の生物学科1年生で恐竜オタクですよね。どんな印象を持ちましたか?
最初は、この人何なんだろう? と理解できませんでした。でも台本を何度も読み返したり演じたりするうちに「アヤメくん中毒」になっていたかも。癖になるというか一緒にいてほしい、一家に一台アヤメくん……みたいな(笑)。というのも、アヤメくんって裏がなくて、彼自身が気を使わないタイプだから、周りも気を使わなくていい。一緒にいると、自分の肩の荷も少し軽くなるような気がして。(隣に目線をやり)この辺にいても、いるのかいないのか気づかないくらいで、たま~に「●●だよね?」などと話しかけられたりしそうですよね(笑)。変わった人だけど、友達になりたい。
Q:でも好きになった椿雛菊(ツバキ・デイジー)先輩に、いきなり「おっぱい……触らせてもらってもいいですか」と真顔で聞くのには驚きましたが?
本気で触りたいと思ったんでしょう、スゴイですよね。セリフの練習をするのもちょっと恥ずかしかったです(笑)。でも椿ちゃんもヘンな人ですよね。基本的に出てくるキャラクターが皆どこか変人で、アヤメくんはちょっと強力。
Q:骨フェチというツバキみたいな女の子をどう思いますか?
全然アリです、「変わってるね」とイジりたい(笑)。男の子って、年上の女性に憧れますから。大学生くらいの年頃だと特にそうだと思います。僕は一人っ子のせいもあるのか、高校生のころには年上の女性に憧れていました。男って背伸びをしたがるから、単純にいろんなことを知っている年上の女性に惹かれるんです。甘えられるし、自分の知らない世界へ連れて行ってくれるから。年上の女性と付き合っている自分って格好いい、と思うところもあるのかも(笑)。
Q:完成した映画を観た感想は?
もうドキドキで……ちゃんとした映画になっているかな? と心配だったんです。自分がカメラ前で演じたことが、全編を通して観たときにどう映っているのか想像つかなくて。でも隣で観ていた共演者の方が「面白かったよ」と言ってくださったので、ちょっとホッとしました。ちゃんと人様に観ていただけるものになったんだな、よかったなと。
一問一答 PRIVATE
Q:好きな女の子のタイプは?
年上だけどかわいらしい人とか、年下だけどカッコいい人とか、ギャップを持つ人。
Q:女性に対して「いいな」と思うのはどんな瞬間?
ご飯をおいしそうに食べているところですかね。食べるところにその人が出るものだと思うんです。女の子が素でいる瞬間が好きみたいです。
Q:理想のデートは?
渋谷のセンター街でデート。堂々と手をつなぐこと。なかなかできないことだと思うので。
Q:アヤメやツバキのように、偏愛するものはありますか?
その時々で違いますが、人生で初めて今、餃子を買いだめしてます(笑)。コンビニで売っている5個で100円くらいの冷凍餃子なんですけど、これがめちゃめちゃおいしくて! 今一番の幸せは家で、お酒はそんなに強くないんですけど、お酒を飲みながら餃子を食べて映画やネットを見ている瞬間。安上がりですよね(笑)。
Q:好きな映画は?
『GO』(2001)。元々親の影響で窪塚洋介さんが好きで、幼稚園や小学校のころに「池袋ウエストゲートパーク」(2000)などのドラマを観て、格好いいな、スゴイな! と思っていました。あと『ゴールデンスランバー』(2009)、『重力ピエロ』(2009)、『アヒルと鴨のコインロッカー』(2006)も好きです。僕は仙台が地元なのですが、伊坂幸太郎さんの小説って仙台が舞台のものが多いですよね。映画を観ていても、ロケで自分の家が映ってないかな? というくらいの感覚です。『ゴールデンスランバー』は、これまで一番繰り返し観た映画です。
Q:窪塚さん以外に、好きな俳優は?
長瀬智也さん、伊勢谷友介さん、渋川清彦さんと、男っぽい方が好きです。こういう男になりたいという理想というか……ないものねだりかも(笑)。
Q:俳優になったきっかけは?
地元のモデル事務所にスカウトされ、仙台で活動を始めて。地方CMに出たりして、芸能の世界をとても身近に感じたんです。彼は今モデル、音楽活動をしているんですけど。その彼に「麻璃央もやってみなよ」と言われ、バイトばかりで特にすることもなかったので、高2のときにジュノンボーイに応募したのがきっかけです。
Q:コンテストで準グランプリを得てすぐ俳優を志すように?
受賞したと言っても、将来を見据えた明確なビジョンがあるわけではありませんでした。準グランプリです、所属事務所も決まりました、これで就職活動もOK! くらいの感覚で。世の中に認められた気になっていましたが、今考えると甘かったなと。役者をやっていきたいと強く思うようになったのは場数を踏んでいって段々と、ですね。頑張らなきゃいけない環境に置かれたことが大きいかもしれません。本腰を入れてやらないとダメだなと思ったんですよね。
Q:俳優の面白さとは?
何ですかね……やればやるほどお芝居って面白いなと目覚めつつありますが、単純に映像に映る自分が好きというか(笑)。ドラマでも映画でも、映像に映った自分を見て、うれしい! って思います。どれだけ作品を重ねてもそうした心を持てたら無敵だと思うんですけど。
Q:現時点の俳優としての目標は?
やはり主演をやらせていただきたいです、選ばれた人にしか与えてもらえないチャンスだと思うので。その狭い門をくぐるチャンスを手にしたら、それに応えたい。いろいろな人に自分という存在を知ってもらいたいし……。おこがましいかもしれませんが、気持ちいいと思うこと、好きだなと思うことは好き! と言おうと思っています。
Q:舞台では歌も踊りも殺陣も経験されていますが、最も得意な分野は?
どれも得意なのかどうか……好きなのは確かですけど得意です! とは言えないかもしれません。上には上がいると実感しますし、自信を持って「これが武器です」と言えるものがまだないと思います。でも確固たる自信がなく、不安で怖いからこそ、何とかしなきゃ! と頑張れる。中学まで野球部でピッチャーをやっていて、それには自信があるんですけど(笑)。
Q:すると仕事へ向かう一番のモチベーションは不安、ですか?
一番はプライベートを充実させるためかもしれません。やはり夢のある世界ですから、頑張って家を買って両親を東京に呼び、何不自由ない生活をしてもらえるようにしたい。数年前に親が体調を崩して、それがきっかけですね、そう考えるようになったのは。一人っ子なので、頼る人がいないんだと改めて思ったんです。仕事もそうですが、やらなきゃいけない状態になったほうが、人って底力を発揮するものだと思う。たまにはぬるま湯にもつかりたいですけど(笑)。
Q:ずっと俳優をやっていこうと決めたのは、昨年の舞台「歌姫」からとか?
そうですね。また親の話になっちゃうんですけど……実は「歌姫」の前に、一度この仕事をやめようと思った時期があったんです。それで親に電話したら「わたしたちは麻璃央に芸能の世界にいてほしいとは思っていないから。自分で考えていいんだよ」って。そう言われて、ああ自由にしていいんだ! と、とても気が楽になったんです。ジュノンボーイを経て、同級生から「いつ仮面ライダーになるの」と聞かれたりして(笑)。そうした周囲の期待に応え、責任を果たそうとして、ここまで来たんだから引き返せないでしょ!? と頑なになってしまっていたように思います。あと舞台に出ていても、世間的にはまだあまり知られないんですよね。地元でも「アイツは今、何やってんだろう?」と言われちゃったりして。だからもっとメディアに出ないとなと思ったり……でも親に「いつでも帰ってきていいから」と言われて肩の荷が下りたんです。それで改めて「歌姫」でお芝居とゼロから向き合って。本当にきつかったのですがとてもいい作品で、だからこそ学ぶことも多く、心から楽しめました。この仕事をもっと頑張っていこうと思いました。
取材・文:浅見祥子 写真:高野広美
スタイリング:KUMI/ヘアメイク:花井麻衣
映画『アヤメくんののんびり肉食日誌』は10月7日より公開
(C) 2017 町麻衣/祥伝社/映画『アヤメくんののんびり肉食日誌』製作委員会