モテ要素を全て備えた「劇団EXILE」究極の美男子
イケメン発掘調査隊
『恋と嘘』佐藤寛太【第116回:イケメン調査隊】
インタビュー INTERVIEW
Q:映画『恋と嘘』は、「超・少子化対策法」が施行され、政府が“最良”の結婚相手を決める日本が舞台。佐藤さん演じる高千穂蒼佑は、ヒロインの仁坂葵(森川葵)の結婚相手に選ばれた病院の御曹司。葵との結婚を淡々と受け止めるクールなキャラクターですね。
蒼佑は父親との軋轢があって、ぶっきらぼうで、人に心を開けないんです。彼のようなコミュニケーションがうまくとれない人にとっては、少子化対策で政府が決めた相手と結婚する制度はありかもしれないですよね。ただ待っていても、最良の結婚相手は現れないかもしれないから。蒼佑のような自分とはまったく違うタイプのキャラクターは、演じる楽しさがあります。
Q:そんな蒼佑が葵との出会いで変わっていく様子が興味深かったです。
演じるうえで、蒼佑がどんどん変化していくところは大事にしました。順撮りではなかったので、いろんなシーンで感情を使い分けなければいけなくて、そこが難しかったです。ほかの役者さんたちはどうされているんですかね。ただ、(森川)葵ちゃんや(北村)匠海くん(葵の幼なじみ・司馬優翔役)と一緒に本読みをしたときに、二人がとても上手だったこともあり、蒼佑と葵との関係性がつかめたので、現場で迷ったりするようなことはありませんでした。
Q:撮影中、特に印象に残ったシーンといえば?
ウエディングドレス姿の葵とのシーン。4、5時間くらい撮影していたんですけど、その時間経過を忘れるくらいずっと集中していたので、終わったときは疲れ切ってヘロヘロになってしまいました。あんなにお芝居に集中したのは、これが初めてかもしれないです。本当に、共演者の方々が上手でしたし、古澤(健)監督も演者サイドの気持ちになって演出してくれましたし、いい経験をさせてもらいました。あと、本編ではカットされているんですけど、キスシーンで涙が止まらなくなったことがあって。蒼佑が泣く設定じゃなかったので、スタッフさんが困ったと思います(笑)。そのあと、葵ちゃんが何も言わずに肩をポンって叩いてくれて、優しいしカッコいいなと思いました。
Q:共演者の方々から、「おしゃべりモンスター」と呼ばれていたそうですが?
そうなんです(笑)。この映画の撮影現場からライブ配信をやらせていただいたときに、匠海くんから命名されました。どこの現場でも割としゃべる方かな。僕がしゃべることで、その場がやりやすい感じになればいいなと思って。ただ、相手や場所は選びますし、自分の中にリミットはありますよ。無駄話ばっかりですけど(笑)。
Q:男女の三角関係を描きつつも、いろんなメッセージを感じさせる本作。どんな方に観てほしいと思いますか?
結婚がテーマの一つとなっているお話なので、恋人同士の方はもちろんですが、既婚者の方やご家族にも観ていただけたらと思います。僕にも結婚願望があるんですけど、結婚の適齢期に近づくと、結婚ってこういうもんだよねって、価値観や既成概念が膨らんでくるものですよね。でも、本当にそれでいいのかなって、考えさせてくれる作品だと思います。「自分の幸せってなんだろう?」とか「人を好きになるってどういうことなのかな?」とか、誰かと一緒に観たあとで、話してもらえたらうれしいです。
一問一答 PRIVATE
Q:好きな映画を教えてください。
最近だと『君の膵臓をたべたい』がよかったです。あと『ダンケルク』。『ダークナイト』とか、クリストファー・ノーラン監督の作品が大好きなんです。今年観た中で『ダンケルク』に一番ハマったかも。この間DVDで観たデヴィッド・フィンチャー監督の『セブン』もよかった。ブラッド・ピットは俳優だけじゃなくプロデューサーの才能もあって、本当にすごいなと思います。
Q:最近の気になる俳優といえば?
デイン・デハーンとエズラ・ミラー。あんなふうに個性的な役どころを演じられる俳優さんっていいなあと思います。それから、エディ・レッドメイン。『博士と彼女のセオリー』でアカデミー賞主演男優賞をとる前から絶対来る! って思っていました。
Q:女性はどんなタイプの方が好みですか?
よく笑う女性……って言うと型にハマッた答えですよね(笑)。でも、笑ってくれる人がいいな。で、大雑把な人。僕もかなりテキトーなので、自分よりもアバウトだと自分の方がきっちりすると思うから。人間ってそういうバランスでできているような気がして、「そんなの気にしなくていいよ」って言ってくれる人だと、逆に自分がしっかりするのではないかなって。逆にあまり細かく言われすぎると疲れてしまいます(笑)。
Q:どんな場所でデートしたいですか?
僕の好きな映画『恋人までの距離(ディスタンス)』のように、旅行先の街を歩いている感じでしょうか。まだそれほど距離が近くないときに、知らない土地の街並みを眺めながら、ハンバーガーとワインを買って、夜の公園とかで二人でずっと話していたい。そういう感じを楽しんでくれる人が好きです。そういうときこそ、普通に幸せを感じそう。
Q:なるほど、かしこまったレストランよりも公園の方がいいと。
『恋と嘘』で演じた蒼佑は、葵と行った高級レストランでスーツを着てかしこまっていましたけど、僕が実際に行ったら靴を脱いじゃいそう(笑)。それよりも公園とかカジュアルなところがいいです。レストランで「ルバーブのタルトが……」なんてセリフがありましたけど、言っているときの自分をバーンと膝蹴りしたくなります(笑)。
Q:映画には政府が遺伝子レベルで“最良”の相手を選ぶ「科学の赤い糸」という概念が登場しますが、現実的に「運命の赤い糸」って本当にあると思いますか?
あると思います。僕はひと目ぼれ気質というか、この女性は友だちだなと思ったらずっと友だちのままだし、最初にピンときたら付き合うことが多かったので、運命とか大げさな感じに考えてはいないんですけど、糸のようなものはあるんじゃないかと思います。直感でわかるシンパシーのようなもの、というか。
Q:その直感は男女問わず感じるんですか?
それはありますね。この人無理だな、って思うときもなくはない(笑)。でも、EXILE TRIBE の中には苦手な人が一人もいないんです。こんなことがあるんだっていうくらい、皆さんかっこいいし優しいです。多分、僕はもともとEXILEを見ていた側の人間なので、尊敬の念から事務所に入っているから本当に皆さんが大好きだし、一緒にいて楽しいんです。
Q: EXILE TRIBE には、ボーカル、パフォーマー、俳優などの垣根がないですよね。
そこが魅力的で入りたいと思ったんです。本当に壁がない。自分がやりたいと思ったことは、どんどん発信した方がいいって、HIROさんをはじめとする上の方々が言ってくださる。そんな環境じゃなかったら、俳優なんてできないかもしれません。僕って本当に普通なんです。高校のときは、週刊の漫画雑誌の発売を楽しみにしていて、ずっと男同士で遊んでいたし、中学までは野球(ピッチャー)をやっていたから丸刈りでしたし(笑)。
Q:そんな垣根がなくて選択肢が多い環境の中、今後はどんなことに挑戦したいですか?
俳優を続けたいです。俳優デビューの前にバックダンサーもやらせていただきましたが、お芝居はそれだけに集中できて、生きがい、と言うと大げさですけど、すごく楽しい。演じられる場所があるのなら、ずっと俳優をやっていきたいです。
取材・文:斉藤由紀子 写真:尾鷲陽介
映画『恋と嘘』は10月14日より全国公開
(C) 2017「恋と嘘」製作委員会 (C) ムサヲ/講談社