ハイヒールにガーターベルトでぶった切る!美女スパイが未体験すぎる!
提供:KADOKAWA
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で髪を刈り上げ、頭の大半にオイルを塗って巨大トラックで爆走していたシャーリーズ・セロンが、最強の美女スパイになりました。男たちと真っ向から殴り合い、ボコり、ボコられ、それでもボコる無敵の美女は「この人が負けるなんてありえない」と思えるほど未体験の強さなのですが、ちゃんと感情移入できる仕掛けも。「けっこうアクションあります」とこの記事でお伝えしても、読者の方の予想をさらに上回る痛快アクションが満載の本作には、『スプリット』のジェームズ・マカヴォイ、『キングスマン』のソフィア・ブテラなど豪華スターたちが集結。“アクション映画マスター”の新鋭監督がメガホンを取り、カラフルでオシャレな映像と「ロックバルーンは99」「アイ・ラン」「アンダー・プレッシャー」など80年代のヒットソングがびっくりするほど気持ちよくさせてくれる……。それが新作映画『アトミック・ブロンド』です!(編集部・海江田宗)
■いまだかつてない美女スパイが誕生
“「様」付け”で呼びたいくらいかっこよくてクールなシャーリーズが本作で演じたのは、イギリスの秘密情報部MI6が誇る美しき女スパイ、ロレーン・ブロートン。冷戦下の1989年、東西に断たれたドイツのベルリンを舞台に、世界中で暗躍する各国のスパイたちの名前が記録された超重要リストの奪還ミッションに絶世の美女ロレーンが身を投じます。
スパイ映画といえば目立たないように地味なトレンチコートを着て中折れハットを目深にかぶった鋭い眼光の男が主人公で……というのが一般的。しかし今作に登場するロレーンはそういったお決まりのスパイ像とはまったく違います! キャリアウーマンよりもハイヒールをカツッカツッと履きこなし、魅惑のサラサラブロンドヘアまる出し。サングラスをかけて目を隠していても逆にそれが美しさを際立たせ、身につけたガーターベルトが似合いまくり。「この人がガーターベルトじゃなかったら、一体誰がガーターベルトをつけるんだ!」と叫びたくなります。
■ハイヒールが武器に!冷蔵庫でもバーン!ノンストップ大乱闘!
こう紹介すると「ロレーン、スパイなのに目立ちすぎじゃね!?」と思う人もいるかもしれませんが、こんな美女がスパイだなんて誰が見抜くことができるでしょうか。美女であることを存分にいかした完璧な変装だと思います。しかも戦闘では接近戦を得意とする美女スパイ。ハイヒールのとがった部分で、容赦なく相手の顔をぶん殴ります。
主演だけでなく企画者、プロデューサーとして最初から製作に関わったシャーリーズはロレーンについて、「女性のキャラクターを男性と同じルールが適用される状況に置くということをやりたかった」と語っているのですが、まさにその通りで、ロレーンは屈強な敵に次々と襲われます。そんな状況で彼女が取ったのが、単なる力対決にならないように身近な道具をフル活用するという戦法でした。
前述のハイヒールに始まり、冷蔵庫のドア、キッチンにあった鍋、コルク栓抜き、部屋の鍵、束になったホースまでさまざまなものが敵を倒す凶器にかわります。ハイヒールのガツッ! ドアのバーン! 栓抜きのグサッ! に「うわ、もう絶対痛いヤツや~ん」と思いつつ、「たしかにこんな男たちと戦うなら手ぶらじゃ無理」と共感でき、見事な道具チョイスに魅了されます。束になったホースを使うシーンなんて本当に未体験のすごさですよ! これらの道具をしなやかに使いこなすその華麗な戦闘姿はまさに女ジャッキー・チェン。
また、映画の終盤には約7分半を1カットの長回しで撮影した怒涛のアクションシーンも。それもひとつの場所で撮っているのではなく、高層ビルの階段での死闘に始まり、踊り場、部屋など徐々に“バトル会場”を移動しながら次々と刺客を倒してロレーンは地上へ。そのまま車に乗り込んでカーチェイスまで繰り広げてしまいます。3日半かけて撮影されたこのシーンはカメラアングルも自在。1カットならではの緊張感がひしひしと伝わってくる最高のアクションシーンに仕上がっています。
■男たちをぶっ倒す!強すぎるスパイは美人すぎる
向かってくる男たちと大乱闘を繰り広げて返り討ちにするロレーンは、何度も言いますが美しい……。ハイヒールにコートというスタイルもいいのですが、たまに見せるドレス姿も最高です。ゴージャスにドレスを着こなし、タバコを吸って強そうなお酒を一気に飲み干す。フランス人女スパイのデルフィーヌ(ソフィア)と情熱的な一夜を過ごすシーンなんてもう……。
見た目の美しさを際立たせているのが彼女の内面です。デヴィッド・リーチ監督はロレーンというキャラクターについて「人とはある程度感情的な距離を保ち、冷酷な意志や厳しさを備えながらも、内面では思いやりや人間らしさ、傷がうごめいていて、それがにじみ出ている人物」と紹介しているのですが、その繊細な内側が外見を引き立て、ロレーンを“アトミックなブロンド”たらしめていると言っても過言ではないでしょう。
■スカッと気持ちいいアクション!音楽でさらに爽快感アップ!
アクション映画のよさはやっぱり観てスカッとするところ。本作も笑ってしまうくらいアクションが満載で、「人が殴られるのを見てなぜ気持ちよくなるのか」と少し哲学的(!?)になるほどです。そして、この作品をほかのアクション映画と違うものにしているのは「スパイアクションだということ」と「音楽」です。スパイ映画ならではのハラハラストーリーについてはネタバレになってしまうので書きませんが(本当は書きたい)、音楽は映画をどこかミュージカル調にしてしまうくらい印象的でした。
それもそのはず、リーチ監督は「脚本を読んだときにすでにいろんなページから80年代の音楽が聞こえ始めた」そう。そのアイディアを脚本に落とし込んで撮影用のプレイリストを作り、音楽にあわせて演出したシーンがいくつもあったんだとか。その狙い通り、激しいアクションと音楽のシンクロはお見事。色彩豊かな映像の中でBGMにあわせて踊っているかのように敵を倒すヒロインのアクションの爽快さを、「ブルー・マンデー 1988」「ロンドン・コーリング」「ファイト・ザ・パワー」などのヒット曲が増幅させています。
■監督は『デッドプール』続編も任されたイケイケの“アクション映画マスター”
さっきからチョイチョイ名前が出ているデヴィッド・リーチ監督。この方、あの大ヒット映画『デッドプール』の続編の監督も任されているすごい人なんです。もともとはスタントマンとして『オーシャンズ11』や『マトリックス レボリューションズ』などに参加したスタント界のたたき上げ。監督としてもキアヌ・リーヴス主演のアクション映画『ジョン・ウィック』でチャド・スタエルスキと共同監督を務めていました。
そんなリーチ監督が自身のスタントチームと長年温めてきたアイデアを取り入れているんですから、説得力がある上に斬新! この映画のアクションが未体験な迫力とすごさだということがわかります。正直もっと早くリーチ監督の紹介をしてもよかったのですが、シャーリーズの美しさに目がくらんで遅くなりました。後悔はしていませんが、謝ります。ごめんなさい。
そして謝罪ついでにこの映画には『キングコング:髑髏島の巨神』などのジョン・グッドマン、『キャプテン・アメリカ』シリーズのトビー・ジョーンズ、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のビル・スカルスガルドという、普段ならぜったい記事の最後ではなく序盤で紹介される大物ベテラン俳優と注目の若手俳優が出ていることもお伝えしておきます。
シャーリーズ演じる美女スパイの暴れっぷりは、まったくいままで体験したことのない過激さ。観ればわかっていただけると思います。そして、女性なら汚い男どもをぶっ倒すロレーンのかっこよさに、男性は単純にその美しさに、目、くらみますよ。
映画 『アトミック・ブロンド』は10月20日より全国公開