ヒーロー軍団アベンジャーズって、いったいどんなグループ?~『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を観る前に~
シリーズ最新作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』がいよいよ4月27日公開! そういえばアベンジャーズって、もともとどういう集団なんだっけ? チームの基本をチェックしてみた。(文・平沢薫)
アベンジャーズの原点をチェック!
コミックでは、アベンジャーズはこんなふうに描かれている。
・どういう人たちの集まり?
アベンジャーズの参加条件は、マーベルコミックスのスーパーヒーローであることだけ。どんなヒーローでも参加できるし、そのときによってメンバーは変わる。さまざまなストーリーがあり、最終目的はそれぞれ違うが、ヒーローたちが結集して共通の敵と戦うのが基本。
・コミック初登場は1963年
コミック初登場は、1963年9月のスタンリーとジャック・カービーのコミック「アベンジャーズ」第1号。ちなみにDCコミックスのスーパーヒーローチーム、ジャスティス・リーグのコミック初登場はその前の1960年3月。同年11月から「ジャスティス・リーグ・オブ・アメリカ」が刊行された。
このコミックに、すでに個別のコミックで活躍していたヒーローが結集して、アベンジャーズを結成。宿敵ロキ(ソーの義兄弟)と戦う雷神ソーに協力して、史上最少ヒーロー・アントマンとヒロイン・ワスプ、パワースーツをまとったアイアンマン、怪力超人ハルクが集合した。
・チーム名の発案者はスーパーヒロイン・ワスプ
ヒーローが集合した時にチーム名をつけようということになり、ワスプが「何かカラフルでドラマチックな名前がいいわね、アベンジャーズとか」と言い、それに他のメンバーたちが賛成したもの。言葉の意味よりも、派手な雰囲気が狙いだったようだ。
ちなみに英語のアベンジ(avenge)は「正義感により報復する」「正義感に基づいて正当な仕返しをする」といった意味。「個人的な復讐(ふくしゅう)」を意味するリベンジ(revenge)とはちょっと違う。
映画版アベンジャーズをざっくり整理!
映画版はコミックを参考にしつつ、独自のストーリーを展開中。マーベルのヒーロー映画は、全作が同じ世界=マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の出来事なので、新作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』も、これまでの映画の出来事を踏まえている。新作の前に、映画版アベンジャーズの歴史をざっとおさらいしてみよう。
・原点は長官ニック・フューリーの企画
映画では、国際平和維持組織シールド(S.H.I.E.L.D.)の長官ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)が"アベンジャーズ計画"を立案。『アイアンマン』のクレジット後のシーンで、トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)に話したことをにおわせた。
フューリーは『アベンジャーズ』でヒーローたちが集まった前で"アベンジャーズ計画"発表。その後で、スタークがロキ(トム・ヒドルストン)に「アベンジャーズ。われわれのチーム名だ。地球最強のヒーロー軍団」「地球を滅ぼされたら、必ず復讐(アベンジ)する」と名乗っている。
・メンバーは毎回、こんなに増えている!
そもそもマーベルのヒーロー映画が増えているので、アベンジャーズのメンバーも新作のたびにどんどん増えている。これまでのメンバーを見てみよう。
●『アベンジャーズ』(2012)
シールドの長官ニック・フューリーは、ロキが盗んだ四次元キューブを取り戻すためヒーローたちを集める。本作で映画初登場のメンバーもいる。
(以下、*印=本作で新参加)
【メンバー】
アイアンマン(本名:トニー・スターク)
キャプテン・アメリカ(本名:スティーブ・ロジャース)
ソー
*ハルク(本名:ブルース・バナー)
*ブラック・ウィドウ(本名:ナターシャ・ロマノフ)
*ホークアイ(本名:クリント・バートン)
●『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)
ヒドラの残党や人工知能ウルトロンなどに、アベンジャーズが立ち向かう。すでに他のマーベル映画に登場しているアイアンマンの友人ウォーマシン(ドン・チードル)、キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)の友人ファルコン(アンソニー・マッキー)も参加。最初は敵だったスカーレット・ウィッチ(エリザベス・オルセン)と双子の弟クイックシルバー(アーロン・テイラー=ジョンソン)、新たに誕生したヴィジョン(ポール・ベタニー)も加わる。
【メンバー】
アイアンマン
キャプテン・アメリカ
ソー
ハルク
ブラック・ウィドウ
ホークアイ
*ヴィジョン
*ウォーマシーン(本名:ジェイムズ・ローズ)
*ファルコン(本名:サム・ウィルソン)
*スカーレット・ウィッチ(本名:ワンダ・マキシモフ)
*クイックシルバー(本名:ピエトロ・マキシモフ)
●『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)
なんとアベンジャーズが分裂! スーパーヒーローを国連が管理するソコヴィア協定をめぐり、それに賛成するアイアンマン派と、反対するキャプテン・アメリカ派に分かれ、それぞれがスパイダーマン(トム・ホランド)とアントマン(ポール・ラッド)を仲間に加える。ちなみに、ソー(クリス・ヘムズワース)とハルク(マーク・ラファロ)は不在だった。とはいえ、映画の最後に、キャプテンはアイアンマンに「必要なときには駆けつける」という手紙を送っている。
【メンバー】
<アイアンマン派>
アイアンマン
ウォーマシーン
ヴィジョン
*スパイダーマン(本名:ピーター・パーカー)
<キャプテン・アメリカ派>
キャプテン・アメリカ
ホークアイ
スカーレット・ウィッチ
ファルコン
*アントマン(本名:スコット・ラング)
<最後はどちらの派でもない?>
ブラック・ウィドウ……最後はアイアンマンの元を去る?
*ブラックパンサー(本名:ティ・チャラ)……最後はキャプテン・アメリカに協力?
<こちらも例外>
ウィンター・ソルジャー(本名:バッキー・バーンズ)……ラストでブラックパンサー(チャドウィック・ボーズマン)の研究室で……。『ブラックパンサー』のクレジット後のシーンではホワイト・ウルフ(セバスチャン・スタン)と呼ばれている。
新作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のアベンジャーズはどうなる?
・チームはまだ分裂してる?
監督は、チームが二分した『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』と同じアンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソでもあり、ストーリーは、そのすぐ後から続く可能性もある。新作の冒頭で、アベンジャーズがどんな状態になっているのかも、気になるところ。
・今回は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』組が新参加!
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)のキャラクターたち、スター・ロード(クリス・プラット)、ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)、ドラックス(デイヴ・バウティスタ)、ロケット(声・ブラッドリー・クーパー)、グルート(声・ヴィン・ディーゼル)、マンティス(ポム・クレメンティエフ)、最初は悪役だったネビュラ(カレン・ギラン)も登場。彼らが参加すると、アベンジャーズの雰囲気が変わりそう? また、ガモーラとネビュラは、今回の強敵サノス(ジョシュ・ブローリン)に育てられた姉妹なので、2人の過去がストーリーにも絡むかも?
・かなり多数のヒーローたち、キャラたちが新参加!
とにかく人数が多い。スーパーヒーローのドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)、ホワイト・ウルフ(元ウィンター・ソルジャー)だけでなく、予告編やポスターにはさらにキャラが続々。『ブラックパンサー』のオコエ(ダナイ・グリラ)、シュリ(レティーシャ・ライト)、エムバク(ウィンストン・デューク)、『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)のロキ、ヴァルキリー(テッサ・トンプソン)、ヘイムダル(イドリス・エルバ)、『ドクター・ストレンジ』(2017)のモルド(キウェテル・イジョフォー)、ウォン(ベネディクト・ウォン)の姿も。また、ソー役のクリス・ヘムズワースはインタビューで「登場キャラは76人」とも発言している。かなりの大人数になる!?
・ところでインフィニティ・ストーンは今どこに?
今回は敵サノスが、持ち主に無限の力を与える籠手(こて)"インフィニティ・ガンドレット"を完成させるため、そこにはめ込むインフィニティ・ストーン6つを集めるというストーリー。すでに、インフィニティ・ストーン5つはこれまでのマーベル映画に登場していて、今ある場所はここ! ストーンのある場所に、サノスが出現するはず。
●スペース・ストーン(色:ブルー)
別名:四次元キューブ(テッセラクト)
『マイティ・ソー』のラストから、『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)『アベンジャーズ』にも登場。『マイティ・ソー バトルロイヤル』のアスガルド崩壊時に、ロキが手に入れたようだ。
●マインド・ストーン(色:イエロー)
別名:ロキの杖(チタウリ・セプター)
『アベンジャーズ』のロキの杖に入っていたが、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で、ヴィジョンの額に埋め込まれた。
●リアリティ・ストーン(色:レッド)
別名:エーテル
『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013)でアスガルドにあり、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のコレクターの陳列棚にあったが、彼の住居が破壊されて現在は行方不明。
●パワー・ストーン(色:パープル)
別名:オーブ
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』でスター・ロードことピーターが盗み、サノスが手に入れようとする。今は宇宙警察(ノバ軍)が保管している。
●タイム・ストーン(色:グリーン)
別名:アガモットの目
『ドクター・ストレンジ』でドクター・ストレンジが使い、現在はカトマンズの修行場に保管されている。
●ソウル・ストーン(色:オレンジ)
未登場。所在不明。
<おまけ編>
グループ内の役割はこんな感じ?
アベンジャーズのメンバーたちのキャラを、学園コメディーのキャラ分けパターンに分類したらこんな感じかも? 新作で参加のガーディアンズ・オブ・ギャラクシーも含めて、アベンジャーズを勝手にグループ分けしてみると……。
【俺さま系】
クラスも学級委員も関係なく、俺さまが世界一だと信じて疑わない。
アイアンマン、ソー、ドラックス
【学級委員長系】
クラスとまとめるのも、正義を示すのも自分の役目だと信じている。
キャプテン・アメリカ、ブラックパンサー
【副委員長系】
委員長に賛同して協力。実は違反者を見つけて叱るのがちょっと好き。
ブラック・ウィドウ、ウォーマシン、ファルコン、ガモーラ
【やんちゃ系】
悪気はなく、ついやんちゃをしてしまうが、すぐ反省する。
スター・ロード、ホークアイ
【愛されキャラ系】
いるだけで周囲は癒されるが、本人たちにはその自覚はない。
スパイダーマン、グルート
【問題児系】
なぜか、その行動が問題を引き起こしてしまうことが多い。
スカーレット・ウィッチ、ロケット、ネビュラ
【物知り博士系】
何でも知っていて、それを人に教えてあげるのも好き。
ドクター・ストレンジ、ブルース・バナー(ハルク)
【不思議ちゃん系】
周囲とはまったく別の価値観、別の視点で行動している。
ヴィジョン、マンティス
キャラのイメージは見方次第なので「その分類は違う!」という意見もあるだろう。自分流のグループ分けを考えてみるのも楽しい。