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シリーズ総決算!8月の5つ星映画5作品はこれだ!

今月の5つ星

 この夏、アツすぎるのは気候だけじゃない! 今月の5つ星映画は、待ちに待った14年ぶりの続編ディズニー/ピクサーアニメに、トム・クルーズ主演の大人気スパイシリーズ最新作、キムタクVSニノの競演が話題の骨太ドラマと話題作が目白押し。他にも、『モテキ』『バクマン。』などの大根仁監督が韓国映画の再構築に挑んだ青春音楽ムービーや、歴史的独裁者スターリンの死をモチーフにした異色ブラックコメディーをピックアップ。これが8月の5つ星映画5作品だ!

最強ヒーローファミリーの待ちに待ったカムバック!

インクレディブル・ファミリー
(C) 2018 Disney / Pixar. All Rights Reserved.

インクレディブル・ファミリー

 大ヒットディズニー/ピクサーアニメ『Mr.インクレディブル』から14年。現実の時間軸とは相反して、『Mr.インクレディブル』の直後という設定で物語は幕を開ける。もちろん、内容的には前作を観ていなくても問題ないが、事前に前作を観ておくとベターというところだろう。スーパーヒーロー&ヒロイン夫婦、そして彼らの間に生まれた3人の子供たちは皆、それぞれに特別な力を持っており、まさに家族揃ってヒーローな彼ら。今回はワケあって、まずは母・ヘレンが華やかな活躍を見せる。そのためには、実に現代的な設定で父・ボブが家事に育児に、予想通りの大奮闘となるのだが、その予想を大きく上回って暴れてくれるのが末っ子ベイビーのジャック・ジャック。前作でチラ見させてくれた未知のパワーがベールを脱ぎ、最強のかわいさ共々大爆発! その姿に心をわしづかみされてしまうこと必至だ。そして、この14年で最も変化を遂げたであろうテクノロジーが大いに盛り込まれた迫力満点のアクションシーンも必見。安心安定クオリティーのエンターテインメントで、笑って、興奮して、ほっこりする。今回も幸せいっぱいに満たしてくれる快作だ。(編集部・浅野麗)

映画『インクレディブル・ファミリー』は8月1日より公開

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シリーズ総決算!アクションも人間ドラマの魅力もグレードアップ

ミッション:インポッシブル/フォールアウト
(C) 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

ミッション:インポッシブル/フォールアウト

 トム・クルーズ=イーサン・ハント率いるスパイチームの活躍を描いた大人気シリーズの最新作。トムが「シリーズの総決算」とも語る本作では、自身がスタントを披露する驚異的なアクションシーンがさらなるグレードアップを遂げた。パリ市街でのチェイスや2,000時間もの訓練を経たヘリコプター操縦、上空約8,000メートルからのヘイロージャンプ(軍の潜入作戦のために用いられた降下方法)はすべてトムが体を張った本物のアクション。だからこそ、イーサンは非現実的なヒーローになることなく、全編にスリリングな緊張感を与えている。陰謀やどんでん返しなどの予想を裏切るストーリー展開も、シリーズ屈指の出来といえるだろう。再登場するミシェル・モナハンレベッカ・ファーガソン、そして、ドラマ「ザ・クラウン」で注目されたヴァネッサ・カービー、ベテラン女優のアンジェラ・バセットという、個性の異なる女性たちの活躍も素晴らしく、アクションと共に人間ドラマとしての魅力を高めている。(編集部・大内啓輔)

映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』は8月3日より公開

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ただのブラックコメディーじゃない

スターリンの葬送狂騒曲
(C) 2017 MITICO・MAIN JOURNEY・GAUMONT・FRANCE 3 CINEMA・AFPI・PANACHE・PRODUCTIONS・LA CIE CINEMATOGRAPHIQUE・DEATH OF STALIN THE FILM LTD

スターリンの葬送狂騒曲

 旧ソ連(ロシア)の独裁者ヨシフ・スターリンの死で巻き起こる権力争いを描いたフランスのグラフィックノベルを映画化。恐怖政治の残酷さと、自分の利益ばかりを考える側近たちの滑稽さの対比が、底知れぬ恐ろしさと思わず笑ってしまうブラックユーモアを生み出している。メガホンを取ったアーマンド・イアヌッチ監督が制作にあたって意識したのは「1930~50年代にかけて、当時何百人もの人々が命を落とし、姿を消したという事実を決してないがしろにしてはいけないということ」と語っているように、コメディーのさじ加減は絶妙。残虐な描写があるからこそおかしさが浮かび上がり、ただ笑わせようとしているのではないことも伝わってくる。下品なジョークや仕込まれた細やかな笑いを、振り切って嫌味なく表現したスティーヴ・ブシェミサイモン・ラッセル・ビールら俳優陣の力演がなければ、風刺とエンターテインメントが共存した今作は誕生しなかっただろう。(編集部・小松芙未)

映画『スターリンの葬送狂騒曲』は8月3日より公開

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激しく、切ないキムタクVSニノの演技バトルは映画だからこそ

検察側の罪人
(C) 2018 TOHO / JStorm

検察側の罪人

 木村拓哉VS二宮和也、検事にふんした2人の演技バトルが注目を浴びる本作。メガホンを取ったのが『駆込み女と駆出し男』『日本のいちばん長い日』などのベテラン原田眞人監督とあって、ストーリーのアレンジ、音楽、映像と映画ならではの表現への執念、その緻密さに圧倒される野心作だ。それでいて時効が生む悲劇、冤罪を生む法のリスク、といった小説のテーマはまったくぶれることなく、生々しい説得力を帯びて伝わってくる。都内で発生した強盗殺人の被疑者の一人は、時効を迎えた未解決殺人事件の重要参考人だった。もしも検察と警察の思惑が一致したとしたら……? 原作では被疑者の松倉(酒向芳)を犯人と信じて疑わないエリート検事・最上(木村)、そんな最上への疑念、不信感を募らせていく駆出しの沖野(二宮)、それぞれの心情が独白で説明されるが、映画ではそれを省き、いわゆる説明ゼリフも一切ないため、すべてが両者の演技に委ねられている印象。「法」と「人としての感情」がせめぎ合う最上の内なる変化と、そんな彼に翻弄される沖野。木村と二宮が一歩も引かない熱演を見せており、緊迫感は終始途切れない。(編集部・石井百合子)

映画『検察側の罪人』は8月24日より公開

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全部を明るくしてしまう女子高生パワー映画

SUNNY 強い気持ち・強い愛
(C) 2018「SUNNY」製作委員会

SUNNY 強い気持ち・強い愛

 韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』を『モテキ』『バクマン。』などの大根仁監督が再構築した作品。1990年代のコギャル全盛の時代に仲良しグループ“SUNNY”として青春を謳歌(おうか)した女子高生たちの22年後の姿を、安室奈美恵小沢健二のヒット曲と共に映し出す。スクリーンからビシバシ伝わってくるのは女子高生たちのパワー。すべてを明るくしてしまうその力に圧倒され、「この女優の高校時代がこの子?」「安室ちゃん世代じゃないと楽しめないんじゃない?」といったありがちな疑問を「そんなこと考えるから大人はだせーんだよ!」と一蹴する映画だ。圧倒的にポップで明るい女子高生時代に心躍りつつも、篠原涼子らが登場する大人たちのシーンにも感情が揺さぶられ、ホロリと涙がこぼれる。特に、田舎っぽさが残る女子高生を演じた広瀬すず、“SUNNY”のみんなを引っ張るリーダーにふんした山本舞香は超カワイイ。大根監督の女子高生を描く演出力の高さも超スゴイ。(編集部・海江田宗)

映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』は8月31日より公開

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