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ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ (2024)

2024年10月11日公開 138分

ジョーカー2『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』評価は?

編集者レビュー

ジョーカー2
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ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』2024年10月11日公開

 孤独な大道芸人の男が、絶対的な悪へと変貌するさまを描いた『ジョーカー』(2019)の続編。前作から2年後を舞台に、悪のカリスマとして祭り上げられたジョーカーが謎めいた女性と出会う。トッド・フィリップス監督とホアキン・フェニックスが再び手を組む。レディー・ガガのほか、ブレンダン・グリーソンキャサリン・キーナーらがキャストに名を連ねる。

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編集部・入倉功一 評価:★★★★

 喜劇と悲劇は表裏一体。前作『ジョーカー』は、腐敗した社会の狭間で愛を知らずに育った孤独な男の人生が、負のスパイラルをたどった末に“悲劇”から“喜劇”に裏返る物語だったとすれば、今回の続編は間違いなく“悲劇”であり、前作に熱狂した観客ほど、冷や水をぶっかけられた気分になるのでは。

 メディアや大衆によって“悪のカリスマ”に祭り上げられたアーサーが、ある女性との出会いで初めて愛を見出す物語と考えると、感情とリンクしたミュージカルナンバーも相まって感情移入の度合いが高まる。そして、ラストの衝撃も大きい。アーサー役のホアキンの演技は相変わらず素晴らしく、相手役のガガとのケミストリーも感じられる。

 ただ、フィリップス監督の狙いだとは思うが、ミュージカルシーンの一部は少し唐突に始まる印象をぬぐえない。また、前作のようにアーサーの人生を知る過程がないため、よりシンプルになった物語に対して少し長い上映時間に退屈を覚える瞬間があるのも確かだ。

編集部・市川遥 評価:★★★★

 もともと1作だけの想定が、予想外の高評価と興行的成功によって作られることになったこの続編は、海外では賛否が分かれている。1作目と違ってとにかく歌い続けるホアキンに加え、1作目に熱狂した人々を劇中のジョーカーの軽薄なフォロワーになぞらえてその横っ面を張るかのような展開には、拒絶反応が出るのも理解できる。

 それでも社会に適合できずギクシャクしたアーサーと、自信に満ちた優雅なジョーカーをその立ち姿だけで表現するホアキンの演じ分けは前作以上。二人の関係において主導権を握るハーレイ・“リー”・クインゼル役のガガの迫力も、スクリーン映えして目を奪う力がある。ジョーカーをアイコンとして祭り上げ、本人すら置き去りにして暴走する市民の姿は、燃料をくべれば歯止めがかからないほど燃え上がる、危険な現代社会を象徴している。

 そして、壮大な前振りの末に繰り出されるラストの“オチ”は、世界から蔑まれ続けたアーサーのジョークそのもの。憐れで、悲しく、笑えない。しかし、現実とはこういうものだろう。記録的大ヒットとなった前作を否定し、同作が起こした社会現象まであざ笑うかのような、フィリップス監督の大胆さをたたえたい。

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『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』あらすじ

理不尽な世の中の代弁者として時代の寵児となったジョーカー。彼の前に突然現れた謎の女リーとともに、狂乱が世界へ伝播していく。孤独で心優しかった男の暴走の行方とは? 誰もが一夜にして祭り上げられるこの世界──彼は悪のカリスマなのか、ただの人間なのか?

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