第4弾にして完結編『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』の評価は?
編集者レビュー

『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』2025年4月11日公開
恋や仕事に奮闘する独身女性の日常を描いたラブコメディー『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズの第4弾。結婚をして2人の子供をもうけたものの、夫を突然亡くしたヒロインが、悲しみに向き合いながら自分の居場所を再発見しようとする。監督は『To Leslie トゥ・レスリー』などのマイケル・モリス。ブリジット・ジョーンズ役のレネー・ゼルウィガー、ダニエル・クリーヴァー役のヒュー・グラント、マーク・ダーシー役のコリン・ファースら、シリーズのキャストが顔をそろえる。
編集部・香取亜希 評価:★★★★★
ありのままのブリジット・ジョーンズが帰ってきた。物語はいつの間にか2児の母になっていたブリジットが、4年前に最愛の夫マークを突然の事故で亡くし、ようやく人生をリスタートしようと決心するところからはじまる。シングルマザーとして子育てに悪戦苦闘しながら、ストレスMAXで疲弊するブリジットの姿は、多くの女性たちの共感を誘う。そんな中でも、愛に喜び、愛に泣き、アラフィフになってもブリジット節は健在だ。
その上で、シリーズ史上最高に泣ける物語に仕上がっているのは、長年ブリジットを演じてきたレネー・ゼルウィガーだからこそ。ブリジットは愛を探しているのではなく、ありのままの自分を愛するために一生懸命だということを体を張って表現している。観終わった後に、邦題のサブタイトルにある「サイテー最高な私の今」の意味を今一度噛みしめることをおススメする。幸せとは何なのか? ブリジットからのメッセージに気付かされる。
編集部・市川遥 評価:★★★★★
24年前に第1作が公開されて以来、多くの人々に愛されてきたラブコメ映画の金字塔『ブリジット・ジョーンズ』シリーズが、これほどまでに美しく成熟したラストを迎えることになるとはうれしい驚きだった。レネー・ゼルウィガー演じる主人公ブリジットの応援したくなるチャーミングさ、コミカルなラブストーリー、はちゃめちゃだけど何だかんだ頼りになる友人たちなどシリーズの魅力はそのままに、完結編となる本作は死と喪失を真正面から扱っている。
幼い子供たちを残して亡くなった夫のマーク・ダーシー(コリン・ファース)はブリジットの心にぽっかりと穴を開けたままで、全編を通して彼の不在を痛感させる演出が効果的。プレイボーイ道を貫いてきたダニエル(ヒュー・グラント)も人生の終わりが見え始めて後悔を抱えており、キャラクターたちにこの24年という時の重みがずっしりとのしかかっているのをリアルなものとして見ることができるのだ。日々は色あせ、ままならない毎日にそれぞれがないものねだりをしているが、ちゃんと目を開いて一歩踏み出せばそこにはまだ素晴らしいものがたくさんある。悲しくも楽しくてとびきり温かいこの人生賛歌は、ブリジットと共に年を重ねてきた全ての人の胸を打つだろう。
『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』あらすじ
紆余(うよ)曲折を経てマーク・ダーシー(コリン・ファース)と結婚し、2人の子供をもうけたブリジット・ジョーンズ(レネー・ゼルウィガー)だが、ダーシーがスーダンでの人道支援活動中に亡くなってしまう。悲しみに沈みながらも、育児や家事に忙しい日々を送る中、ブリジットは息子の理科教師であるミスター・ウォーラカー(キウェテル・イジョフォー)と、子供たちをトラブルから救った公園管理人のロクスター(レオ・ウッドール)から、好意を寄せられる。