オダギリジョーが中国語やポルトガル語で熱演のコンペ作上映
第65回ヴェネチア国際映画祭
俳優オダギリジョーが主演した、ブラジル・中国・日本合作のコンペティション作品『PLASTIC CITY』が現地時間30日、ワールドプレミア上映された。オダギリは現在、中国の田壮壮(ティエン・チュアンチュアン)監督作『狼災紀(The Warrior and The Wolf)』の撮影を中国で行っており、現地入りしなかった。
同作品はブラジルを舞台に、闇稼業を取り仕切るチャイニーズ・マフィアのユダ(アンソニー・ウォン)&養子のキリン(オダギリ)が、政治家や地元マフィアたちとの血で血を洗う抗争を描いたハードボイルド。オダギリ
は劇中、中国語やポルトガル語を駆使して熱演している。
オダギリを抜てきした理由について、ユー・リクウァイ監督は「黒沢清監督の『アカルイミライ』と『血と骨』を観たんだ。いずれも難役をこなしていてたのが印象に残り、この脚本も彼をイメージしながら書いたほどだよ。今回は確かに異国での撮影に中国語など、彼にとってハンディキャップが多々あったが、彼はアジアの中でもすごくモダンで才能のある俳優だと言えるね」と絶賛した。
しかし映画は、「舞台背景が複雑で分かりにくい」(中国人記者)など、記者からは手厳しい評価が多かった。(取材・文:中山治美)