カンヌ映画祭開幕!新型インフルエンザの影響下で空席目立つ
第62回カンヌ国際映画祭
新型インフルエンザが世界中を震撼させている最中、「第62回カンヌ国際映画祭」が南フランスのカンヌで13日に開幕した。
同映画祭は会期中、世界各国から約2万5,000人の映画関係者と記者が集まる世界最大規模の祭典だ。映画館という密閉された空間に不特定多数の人間が集まるだけに、新型インフルエンザの感染を最も注意すべきイベントであるが、映画祭側からの注意喚起はなし。また街でも、マスクをしているような人は一切見かけない。
しかし、水面下では影響が出ているようだ。この時期、カンヌ市内の宿泊施設はいずれも満室になるが、世界同時不況の影響も重なって、今年は空室が数多くみられている。また、参加を予定していた日本の映画会社やマスコミの中には、感染を恐れて「渡航不可」の社命が下り、直前でカンヌ行きをキャンセルした人たちもいた。13日に行われたオープニング作品『カールじいさんの空飛ぶ家』とコンペィション部門審査員の記者会見も空席が目立ち、2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)騒動のときをほうふつとさせるような、ちょっと寂しい雰囲気が街に漂っている。(取材・文:中山治美)