ブラピとジョリーがカンヌに登場!タランティーノは踊りだす!
第62回カンヌ国際映画祭
クエンティン・タランティーノ監督『イングロリアス・バスターズ』が現地時間20日、第62回カンヌ国際映画祭でワールドプレミア上映された。レッドカーペットには、主演のブラッド・ピットが、もはやお約束となった女優のアンジェリーナ・ジョリーを伴って登場し、観客は大熱狂。その大歓声に触発されたのか、タランティーノ監督が出演女優のメラニー・ロランとディスコダンスをはじめて、お祭り騒ぎ。今回の映画祭一番の大盛り上がりとなった。
カンヌでベールを脱いだ本作は、約2時間30分に及ぶ超大作。第2次大戦下、ユダヤ系アメリカ兵によるゲリラ部隊バスターズや、一家を殺害された少女(ローレン)などナチスに迫害を受けた恨みと怒りが、パリで開催されることになった独軍の国威掲揚映画の上映会で爆発。長い会話劇とバイオレンスというタランティーノ色に彩られた戦争映画だ。
21日に発行された各映画誌の映画評は、パルムドールに推す人もいる中で、スクリーン誌からは「ラスト30分で合致するはずのそれぞれのドラマが混乱したままになっている」との厳しい声も出ており、同誌の星取表でも、5点満点中平均2.4点とまずまずの評価となっている。
現在のところ、ジャック・オディアール監督のフランス映画『アン・プロフィット』(原題)、ケン・ローチ監督の『ルッキング・フォー・エリック』(原題)、ペドロ・アルモドバル監督『ブロークン・エンブレイシス』(原題)に批評家たちの支持が集まっている。(取材・文:中山治美)