中田秀夫監督のイギリス映画、カンヌで約1,000席が満員!
第63回カンヌ国際映画祭
中田秀夫監督の英国映画『チャットルーム』(原題)が現地時間14日、第63回カンヌ国際映画祭ある視点部門で公式上映された。映画『リング』シリーズで世界の人々を戦慄(せんりつ)させた中田監督が新たに手掛けた心理サスペンスとあって、約1,000席の劇場は深夜にもかかわらず満席に。中には「あきばぶ」や「ヲタ芸部」と書かれたジャージを着た日本ツウのフランス人の若者らもいて異様な盛り上がりを見せたが、あいにく中田監督は家族に病人が出て現地入りできなかった。
同作品はインターネットのチャットルームで出会った5人の若者が、仮想と現実の世界で揺れ動き、それが悲劇を生むという内容で、アイルランドの劇作家による戯曲を映画化したもの。2008年に香港国際映画祭の企画マーケットに中田監督自ら参加した際、英国の制作会社が出資を名乗り出て実現。プロデューサーを、映画『エリザベス』を手掛けたアリソン・オーウェンが務めている。また音楽を、押井守作品で知られる川井憲次が担当していることでも話題だ。
このほか、今年のある視点部門には、フランスのジャン=リュック・ゴダール監督『フィルム・ソーシャリズム』(原題)、中国のジャ・ジャンクー監督『アイ・ウィッシュ アイ・ニュウ』(原題)、韓国ホン・サンス監督『HA HA HA』(原題)、ライアン・ゴスリング&ミシェル・ウィリアムズ主演『ブルー・バレンタイン』(原題)などが選出されている。(取材・文:中山治美)