アンジェリーナ・ジョリー、日本を思い涙　独自の支援も発表　「できる限りのサポートを惜しみません」

　現地時間14日、米ロサンゼルスで映画『カンフーパンダ2』のキャンペーンイベントが行われ、ボイスキャストを務めるアンジェリーナ・ジョリーが、東日本大震災後初めて支援メッセージを口にした。本イベントには同じく吹き替えを担当するジャック・ブラックやゲイリー・オールドマン、日本語吹き替えの山口達也（TOKIO）らが参加。アンジェリーナは日本の震災に関する質問を受けて思わず涙ぐみ、「とても心を痛めています。家族をはじめ被災した方々が失ったものの大きさを考えると、涙が止まりません。わたしたちもできる限りのサポートを惜しみません」と類を見ない震災に襲われた日本へ思いをはせた。このメッセージに対して山口は、「本当にありがたいというか、心強い気持ち」と心境を明かす。またアンジェリーナはこの日、独自で日本を支援すると発表。現在準備中であるという。

　日本をはじめ、ブラジルやオーストラリア、フランス、ドイツ、イギリスなど世界18か国から総勢100名以上のメディアが集まり、まさに世界規模となった同イベント。前作『カンフーパンダ』が500億円以上の世界興行成績を上げていることからも『カンフーパンダ2』への関心の高さがうかがえる。そんな大ヒット作の続編である本作は、平和の谷でカンフーの達人「マスターファイブ」たちと共に伝説の龍の戦士として暮らしていた主人公ポーの前に、カンフーの抹殺を狙う新たな敵が現れるというストーリー。スティーヴン・スピルバーグ率いる世界的アニメーションスタジオ・ドリームワークスが手掛けている。前作に引き続き本国アメリカ版ではポー役にジャック・ブラック、マスター・タイガー役にアンジェリーナ・ジョリー、日本ではTOKIOの山口達也がポーのボイスキャストを務めている。またジャッキー・チェン、ダスティン・ホフマン、ルーシー・リューも健在で、新たに登場する悪役をゲイリー・オールドマンが演じ、ジャン＝クロード・ヴァン・ダム、ミシェル・ヨーも名を連ねるなど、超豪華なキャスティングも魅力の一つ。

　前作で出席したカンヌ国際映画祭以来、約3年ぶりの再会を果たした山口とアンジェリーナ、ジャックの3人。アンジェリーナは「人を笑顔にしてくれる魅力を持っている人」と山口を称賛。「彼の声が加わることで、きっと日本の皆さんの心を癒やす作品になると思います」と被災者を気遣いながら作品を紹介した。また東日本大震災について、「映像を見たり、記事を読んで、とても心を痛めています。日本の被災は想像を超えています。家族をはじめ被災した方々が失ったものの大きさを考えると、涙が止まりません」と親身に語ったアンジェリーナ。「またそんな状況下での日本人の姿勢は素晴らしいと思います。わたしたちもできる限りのサポートを惜しみません」と励ましのメッセージを送った。そしてアンジェリーナは独自の日本支援を発表し、現在準備中であることを明かした。

　一方の山口はアンジェリーナについて「日本のことをすごく心配してくださっている優しい女性」と再会の印象を語る。ジャックも含め「2人とも、ニュースを見て強いショックを受けていました。日本を心配してくれてテレビなどのニュースで、日本の現状をうわさだけでなく、ご自身たちの目で確認されていました」と2人が日本の被災を細かに気にかけている様子を明かした。「東北地方の心配はもちろんのこと、日本全体のことをすごく心配してくれて、本当にありがたいというか、心強い気持ちになりました」と山口自身も2人の思いに励まされたようだ。そして、本作が“家族のきずな”をテーマにしていることから、「今の日本にとって大事なこと。誰でも何かしら、人の手助けをすることができるというメッセージがこの作品には強くあります」と作品に込められた思いを語った山口。「この作品をご覧いただいて笑ったり、ときには思いっきり泣いていただくのもいいと思います。今、パンダブームも起きていますし、ぜひ日本の皆様にご覧いただきたいです」と締めくくった。なお、ドリームワークスは、被災地の子どものために基金を設立。すでに40万ドル（約3,400万円、1ドル85円計算）が集まっている。（編集部・小松芙未）

映画『カンフーパンダ2』は8月19日より新宿ピカデリーほか全国デジタル3D公開（一部劇場を除く）