ゴールデン・グローブ賞受賞の『アーティスト』、コメディー映画として9年ぶりの作品賞受賞なるか?
第84回アカデミー賞
先日発表された第69回ゴールデン・グローブ賞で『アーティスト』が最優秀映画作品賞(ミュージカル・コメディー部門)を受賞したため、同作が9年ぶりとなる同賞とアカデミー賞作品賞を同時受賞する可能性が出てきた。
最近の賞レースの傾向として挙げられるのが、ゴールデン・グローブ賞とアカデミー賞で作品賞を同時受賞する作品が少なくなっていること。過去5年を振り返っても、同時受賞を果たしたのは2008年の『スラムドッグ$ミリオネア』のみ。同作もゴールデン・グローブ賞はドラマ部門での受賞であり、ミュージカル・コメディー部門の受賞作品に限っていえば、同時受賞は2002年の『シカゴ』を最後に出ていない。
そこで注目を集めているのが『アーティスト』だ。カンヌ国際映画祭出品時にはノーマークだったものの、プレミア上映で多くの観客の心をつかむやいなや、一躍今年の賞レースの本命に。最多ノミネートされたゴールデン・グローブ賞では最優秀映画作品賞(ミュージカル・コメディー部門)を含む最多3部門で受賞した。
もちろん、同作は今年のアカデミー賞でも大本命。下馬評通り、作品賞を受賞した場合はゴールデン・グローブ賞最優秀映画作品賞(ミュージカル・コメディー部門)との同時受賞はもちろん、コメディー映画としても9年ぶりの快挙となる。
それだけ最近のアカデミー賞ではコメディー作品が苦戦を強いられているということだが、1950年代から1960年代にかけて、『アパートの鍵貸します』『マイ・フェア・レディ』『サウンド・オブ・ミュージック』などが立て続けにアカデミー賞を制覇したこともある。『アーティスト』のヒットがきっかけになり、コメディー・ミュージカル映画がハリウッドで復権することを願うファンも多いだろう。(編集部・福田麗)
映画『アーティスト』は4月7日よりシネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほか全国順次公開